意外と「根気」と「体力」が必要な焙煎作業

かくしてオンラインセミナーがスタートしました。講師はシェアビジネスモデル店舗『CRAFT SHARE-ROASTERY 錠前屋珈琲』でローストマイスターをつとめるキーコーヒーの林 稔さん。そして実際に焙煎にチャレンジするゲストとして、カフェライターとして活躍する斉藤アリスさんが登場しました。林さんによると、焙煎は3つのステージからなるとのこと。
【第1ステージ】重要なのは「色」。キツネ色と茶色が混在する程度まで焙煎(4分半~5分半程度)
【第2ステージ】重要なのは「音」。パチパチパチと豆が爆(は)ぜる音が聞こえるまで(焙煎開始から7分半~8分半程度)
【第3ステージ】重要なのは「色」。香り、味、質感を作っていく作業で、豆が好みの色になるまで焙煎(1分半~2分半程度)

最初に林さんによるデモンストレーションが行われた後、さっそくチャレンジです。試しに生豆を嗅いでみると青臭い香りがします。果たして焙煎することでコーヒー特有のいい香りになるのかちょっと不安です。
まず、100gの豆を手網に入れ、コンロを中火に調整。その上で手網ごと豆を炙っていくのですが、ここで重要なのが炎から20cm離すことだそう。教えの通り、コンロの上で手網を左右に振りながら焙煎していきます。しばらくすると網の取っ手が熱くなってきました。これは軍手必須ですね。

2~3分経っても豆には特に変化がないように思われます。次第に腕や手首がしんどくなってきたので、左手にチェンジ。ひたすらコンロの上で手網を振り続けていると、豆に色が付き始めました。そして5分半ほどで第1ステージが終了。多少のムラはありますが豆は全体的に薄い茶色に変化しています。
第2ステージでは、豆が爆ぜるまで同様に網を振り続けます。先程のように時々、左手と右手を交代しつつ焙煎していると、ついに「パチッ」という音が。これを「一爆(いちは)ぜ」と言うそうです。ここで30秒ほど火に近づけます。すると他の豆も続々と爆ぜ始めてきました。

同時に香りも立ち込めてきます。この段階で、爆ぜた豆のチャフ(薄皮)が周囲に飛び散るため、焙煎するスペースは、ある程度広く取っておいたほうが良いかもと感じました。いずれにしても焙煎後の掃除は必須です。開始後8分以上焙煎したところで次のステージへ進みます。