子安の硬派な角打ち『美加登屋』と『石川屋酒店』をハシゴしてわかった“昭和角打ち”の魅力 【絶滅寸前!?昭和メシ5】

袖すり合うも多生の縁『いしかわや酒店』

[食楽web]
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 美加登屋さんから、同じ商店街を歩いて4分ほど。もう1軒、昭和な角打ちがあります。それが『石川屋酒店』です。お店の隣にドア1枚分だけの入口があります。

 お店の幅が1mもないので、店の奥からの出入りは一度全員が外に出ないといけません。それがまたお客様同士の距離を縮めていきます。6名が限界の横並びな角打ち。なんと365日営業しているため元日の朝から飲めるとのことです。いまだ、24時間戦えますかを地で行くモーレツ昭和店主!

すごい昭和な価格設定

平均単価200円!? フランク永井? ソーセージ的なヤツですね
平均単価200円!? フランク永井? ソーセージ的なヤツですね

 驚くのはこのメニューの価格表。世の中どこもかしこも値上げ、値上げの中でこの単価設定。。

ビールの大瓶が450円!?
ビールの大瓶が450円!?

 酒屋さんの直ならではの価格。メニューにはない珍しいお酒も多く揃えてあります。

なす味噌250円。店主夫婦の手作り料理はどれも美味でお酒が進みます
なす味噌250円。店主夫婦の手作り料理はどれも美味でお酒が進みます
たくあんキムチ 150円
たくあんキムチ 150円

隣にいたお客様にお話を伺います

郷ひろみよりは俺は若いというお客様。意味不明です
郷ひろみよりは俺は若いというお客様。意味不明です

 隣にいたお父さんがお店中のお客様を巻き込んで、明石家さんまのようにトークで場を回しています。

「おすすめのお酒はなんですか?」と聞いてみると。。

「2杯も飲んだら、甘口も辛口もわからるわけないだろ(笑)ナポリタンかミートソースぐらい違いがなければ、味なんてわからないんだよ」とのことです。

「こーゆう店ではな、袖すり合うも多生の縁でな、たまたま縁あっての隣どうし、仲良くしたらいいんだよ。それで楽しく話ができりゃ人生は幸せじゃねーのかな」とも。

 ほとんどどーでもいー話の中で、ちょっと溢れる本音のようなお父さんの言葉が滲みてきちゃいます。

 皆様、ぜひご自身でこの急行の停まらない街にいる素敵な人達とのおしゃべりを楽しみにきてください。

*最後にお父さんからの注意事項
「大人数で来るんじゃないぞ!多くても2、3人だな。大人数で来たら常連客が困っちゃうから」
現場からは以上です。

お店の張り紙も沁みます
お店の張り紙も沁みます

●SHOP INFO
美加登屋酒店
住:神奈川県横浜市神奈川区七島町117
tel:045-421-4738
営:10:00~20:00
休:不定休

石川屋酒店
住:神奈川県横浜市神奈川区大口通30
tel:045-421-0135
営:09:00~19:30
休:無休

●著者プロフィール

鈴木英司
1977年横浜生まれ。
普段はデジタルを追い、土日は未だドアを開けたことのないお店を訪れ昭和へのタイムリープの扉を探す。好きな場所は路地裏。

(編集◎ヨネダ商店)