“合コン”ブームが再燃中? タイパ重視の人にマッチングアプリより合コンが人気のワケ

 “合コン”ブームが再燃中? タイパ重視の人にマッチングアプリより合コンが人気のワケ
食楽web

●マッチングアプリから合コンに戻りつつあるは本当? 最新の出会い方について詳しい人に聞いてみた

 コロナ禍をキッカケに出会いのメインツールとして台頭したマッチングアプリ。ただ、メッセージのやり取りに面倒くささを感じたり、返信がなかなか来ないことに嫌気がさしたりなどによって“マッチングアプリ疲れ”を発症する人も増えています。そんな中、コロナ禍以前に出会いの定番だった合コンが改めて注目を集めています。

 実際に合コンを開催したい男性幹事と女性幹事をつなげるマッチングアプリ『コンパイキタイ』(2023年12月にリリース)の人気が上昇中。運営するのは株式会社トゥエンティトゥ。その代表取締役・鈴木悠史さんは、「広告を一切打っていないのに、毎日数十人の新規ユーザーが登録しています」と手ごたえを口にします。

「『コンパイキタイ』は、幹事同士をつなぎ、合コン開催のハードルを下げるサービスです。従来のマッチングアプリとは異なり、本人の名刺をアップロードしてもらい会社名の表示ができるシステムも搭載。虚偽プロフィール防止という意味合いもありますが、社風は所属している人の性格などにも影響するため、『事前にどんな人なのか想像したうえで合コンに参加できるのがいい』という声も届いています」(鈴木氏)

 マッチングアプリがキッカケの詐欺や犯罪被害についてのニュースを頻繁に見聞きする昨今、勤務先が明らかになっていることのメリットは何かと大きいと言えるでしょう。

合コンはタイパ良し?

 改めて合コンの魅力について鈴木さんに伺ってみると、なんと言っても“出会いの母数を増やせること”だと言います。「マッチングアプリでは基本的に1対1でしか会えません。一方、合コンは2~5人と会うことができるため、出会う相手の数が段違いに多いです」

 さらにマッチングアプリの場合、『実際に会ったら印象が全く違う』と違和感を覚えたり、さらには条件などで相手をシビアに見てしまってデートが“面接”のような雰囲気になってしまったりしがちです。

 その点、婚活・恋活サービスに疲れたユーザーが“集まって楽しく飲む”という、これまでとは異なるモチベーションで異性と会うことで、より楽しく相手を見つけることができるとのこと。

 また、マッチングアプリが出会いの当たり前となっている若い世代の人にとって“友人を紹介し合う合コン”という出会い方は新鮮に映っているのではないか、と鈴木氏。「友人と仲を深めながら出会いの機会にもなる合コンは、タイムパフォーマンスを重視する世代にとっては相性が良いのではないでしょうか」

「合コン=ダイニングバー」ではない

 とはいえ価値観が多様化した現代社会。合コン全盛期だった20~30年前と現代では合コンの内容はどれほど変化したのかも気になるところ。

 鈴木氏によれば、「20~30年前は“金曜日に仕事のことを忘れるために、会社の先輩や同僚と一緒に参加するもの”でした。しかし現在は職場の人間関係が希薄化しているため、“友人を誘い合って、2~3人で楽しく飲むもの”に変化しています」とのこと。

 日常から離れるためのイベントから、肩肘張らずに参加できる会食の場へ。利用するお店も、かつては定番だった中価格帯のダイニングバーは選択肢から外れ、普段使いができるオシャレな居酒屋に変わりつつあるそうです。

2人だけで盛り上がるのはNG

 ちなみに合コンにおいて素敵な出会いを手繰る寄せるための心構えについては「その日のうちに関係を進展させようと思わず、ヒアリングの意識を高く持つことです」とキッパリ。

「合コン中に2人だけで親密になることは、“楽しく飲む”という本来の目的から逸脱しており、合コンの盛り上げりを妨げかねません。参加者はその目的意識を高く持ちつつ、次回のデートに繋げるための情報を会話の中から探していくことが、最も効果的なのではないでしょうか。例えば、合コン中に異性から『最近ワインにハマっている』という話題が出た場合、後日、LINEで『今後ワインショップ併設のバーで角打ちしない?』と誘ってみたり」

 恋愛離れが加速化する昨今、合コンブームが再燃することで、日本の少子高齢化している現状は多少なりとも変わってくるかもしれませんね。

(取材・文◎望月悠木)