●『喜多方ラーメン坂内』の焼豚はかなりの時間をかけて作られていることが判明。担当者にその行程を聞き出す!
♪あふれる焼~豚~坂内~♪ 『喜多方ラーメン坂内(以下、『坂内』)』の店内ではオリジナルソングが流れており、その歌い出しは「あふれる焼豚」とあります。この通り『坂内』では、スープと麺にしっかり合うバラ肉を使った焼豚がブランドの象徴とも言える存在。『坂内』のラーメンを思い出そうとするとき、まずはあの焼豚の味をイメージする人は多いのではないでしょうか。そんな『坂内』の焼豚ですが、実はとんでもない手間をかけて作られていることが判明。ここではその秘密について担当者から話を聞きご紹介します!
各店で1日3回炊き上げて完成
あっさりスープにちぢれ麺そして焼豚と、この三つが絶妙なバランスで共存している唯一無二のラーメンが、『坂内』のラーメンの魅力ですが、特に焼豚がその味のキモになっていると筆者は思っています。スープに入れればコクと旨みがプラスされ、味わいを引き立てる効果があるようにも思います。その焼豚の秘密について担当者に聞きました。
「焼豚を調理する上で一番重要なのは、『坂内』の醤油に合うことですね。試作段階では、世界中の様々な産地から豚肉を取り寄せて厳選しました。現在使用している豚肉は主にスペインから輸入し10日~18日ほど熟成させたものです。店舗では、一番美味しい状態でお客さまへご提供できるよう、手作り・出来立てであることにこだわり、1日3回炊き上げています」(担当者)
これだけの時間を経て完成させた焼豚は、1日3回の炊き上げから4時間以内にサーブするのだとも。じっくりと手間をかけながらも、最後の仕上げでは短時間で売り切る……なんともストイックに思える調理フローです。
焼豚×ネギの親和性の秘密とは?
デフォルトの「喜多方ラーメン」(820円・税込)でも、この焼豚が5枚ズラッと並んでいます。他店なら「チャーシューメン」として販売していてもおかしくない内容ですが、焼豚推しの『坂内』では、「焼豚ラーメン」(1140円・税込)というメニューがあり、こちらには13枚もの焼豚が麺を覆うように乗せられています。前述のような調理手間を想像すれば、かなり贅沢な一杯に思えます。
他方、自慢の焼豚を使った派生系ラーメンがあるのも『坂内』の特徴です。「ねぎラーメン」(930円)や「青唐ねぎ塩ラーメン」(990円)などがそれに当たりますが、こういった派生系ラーメン考案の秘密についても担当者に聞きました。
「自慢の焼豚の味を損なわずに相乗効果を持つ食材を選りすぐり、商品の開発を心掛けています。例えば、特製ドレッシングで和えたネギをたっぷり乗せた『ねぎラーメン』は当店の人気商品のひとつです。
焼豚を作るときにネギを使っていますが、その理由は、単なる風味付けだけではありません。ネギは、料理に深みや複雑な味わいを加える特性があり、焼豚にとって、お互いを引き立て合う相性が抜群な食材のひとつです。ネギの爽やかでほのかな辛味が焼豚の旨みを引き立て、特有のアクセントを加えて深みをもたらし、食べる人を引き込む要素となります」(担当者)