発祥店でいただく元祖の味!『お好み焼き 青森』の「そばめし」

最後に訪れたのは、「神戸のそばめし」と言えば、真っ先にその名が挙がる有名店『お好み焼き 青森』。そばめしの出自に関しては諸説あるようですが、初めてメニューに加えたことから「発祥のお店」として知られるのが『お好み焼き 青森』です。銭湯の向かいにある店で、風呂上がりとおぼしきお客さんが、そばめしをおつまみにビールを飲む姿を見て、「羨ましい……」と思いました。

筆者も1杯やりたいところでしたが、今回は「持ち帰り縛り」なので、「すじそばめし焼き」をテイクアウトでオーダー。キャベツ、そば一玉、ご飯半分、ぼっかけで構成され、さらに特製ソースをよく絡めたボリューム満点の一品。ソースが甘めなこともあり、全体的にしょっぱさより甘さが強い印象です。食べやすくペロリと1人前を平らげてしまうほどの美味しさでした。さすがは「名店の味!」と唸りましたが、同時に「今度こそお店の鉄板の前でビール片手にオーダーするぞ」とも思いました。
●SHOP INFO
店名:お好み焼き 青森
住:兵庫県神戸市長田区久保町4丁目8-6
TEL:078-611-1701
営:11:30~14:30、17:00~21:00
休:火曜
「映え」とかの面倒臭いことは新長田では要らんのじゃ!

実は、この『お好み焼き 青森』では、「豚焼き」もテイクアウトしました。その包みがまた渋くて、店員さんが手際良く綺麗に巻いてくれた包装紙はなんと新聞紙でした。
一般的に見れば、昨今定着した「映え」的な要素の真逆をいく無骨派。しかし、この渋い感じ、背伸びしない感じがなんだか泣けてきて、B級グルメファンにとっては、この上なくカッコ良く映る包装でもあります。

もちろん、この「豚焼き」も絶品でした。表面がカリっとした食感、中にはキャベツと豚肉がしっかり入り、おやつ感覚でサクサク食べられ、これもまたお酒のおつまみに最適な一品でした。
●まとめ:神戸・新長田の鉄板焼き屋の名店は、「映え」不要の本質重視の味! 庶民に親しまれ培われた美味すぎる鉄板メシだった

今回テイクアウトした神戸・新長田の3店舗とも、その美味しさはさることながら、このご時世において数百円で胃袋を満たしてくれるコスパの良さにも驚きでした。「そばめし」や「ぼっかけ」など、関東人には馴染みのない神戸ならではのグルメも堪能することができたこともかなり貴重な体験でした。
ここまでの写真の通り、「映え」感はゼロ。しかし、この美味しさ、この価格、そしてこの地に根付いたお店の空気感も最高でした。ぜひ、神戸に立ち寄った際には新長田エリアにも足を運んでみてはいかがでしょうか。店頭でいただくのももちろん良いですが、お土産代わりにテイクアウトしてみるのも良いと思いますよ!
(取材・文◎加賀ま波、松田義人)