餃子・唐揚げ・肉メンチが入った「定番レギュラーセット」
「定番レギュラーセット」は、餃子3人前、唐揚げ大(300g)、肉メンチ2枚が入ったセットで、約3名で楽しめる内容のセット。これで2080円(税込)はお手頃な価格設定だと思いました。この「定番レギュラーセット」の中から、まずは『嬉しい餃子商店』の看板メニューであろう餃子をいただきます。
テイクアウトすると、餃子が冷めてしまい中の餡の妙な香りが立ってしまい、食感も衰える場合が多いですが、『嬉しい餃子商店』の餃子は、その感じが全くしません。そして、実際に食べてみると、あえてのザク切り餡と皮とのバランスが素晴らしく、あっさりしていながらもクセになる味でした。正直、テイクアウトでここまで美味しい餃子を食べるのは初めてです。
カリッと感が残る唐揚げと、臭みいっさいなしの絶品の肉メンチ
次に「唐揚げ(大)」をいただきます。約300gというボリューム感がまず嬉しいですが、肝心の味にも感動。基本的にはサッパリした味わいですが、その分肉の旨みを引き出した印象で美味。唐揚げブーム以降に増えた唐揚げ専門店の味とも違う美味しさで、鶏肉のフレッシュさに感動を覚えました。
そして最後は「肉メンチ」。よく精肉店で、美味しそうなメンチカツを見て、テイクアウトしたけど、冷めると油が滲み出てきて「美味しくない……」と思うことはしばしばあります。しかし、『嬉しい餃子商店』は違いました。冷めているのに、油の滲みもなければ、肉の臭みも全く感じません。かじると、口いっぱいに肉の旨みが広がり、何枚も食べたくなる美味しさでした。
「冷凍は焼くのが難しい」という声がきっかけの一つに
期待通りかなりのポテンシャルを感じる『嬉しい餃子商店』だったわけですが、オーナーの和田卓也さんにその成り立ちとこだわりを聞いてみました。
「もともとコロナ禍以前に、飲食店を3店舗運営していましたが、そのうちの一つが餃子専門の酒場でした。しかし、緊急事態宣言が発出され、売り上げが激減。そこで餃子のテイクアウト販売を始めたところ好評をいただきました。この頃は、OEMで外注製造でしたが、『これはチャンス!』と地元に工場直売店を開業。それが現在の『嬉しい餃子商店 前橋大友店』です。『より多くのお客様にこの店の味を楽しんでいただきたい』……そんな思いから、テイクアウト専門の店にしたというわけです」(『嬉しい餃子商店』和田卓也さん)
コロナ禍で増えたものと言えば無人販売の「冷凍餃子」店だが、それとは一線を画したスタイルにしたのは「ある理由があった」とも。
「確かに『冷凍餃子』の無人販売は活況でしたが、必ず次のフェースで『調理した状態の焼き餃子』が求められることになることを想像していました。というのも、『冷凍餃子は焼くのが難しい』といった声を多く聞いていたからです。こういったお客さまにとっての課題を解決しながら、自分たちの強みを活かせるのは、テイクアウトの『調理した状態の焼き餃子』だと確信を持ちました」(『嬉しい餃子商店』和田卓也さん)
「冷めても美味しくできる」の秘密とは?
確かに「調理済み」は便利ですが、「冷めると美味しくなくなる」という問題点もありました。ですが『嬉しい餃子商店』は、謎なほどに冷めても美味しいのですが、この点の秘密についても聞きました。
「まず、作り置きをせずに焼きたての調理を提供するようにしています。そして、餃子であれば、しっかり皮を焼き固め、皮の時間劣化を防ぐ努力をしています。また、製造段階でラード不使用にすることで冷めてしまっても油でネバネバしないようにしています。植物性油と野菜のジューシーさがメインの味わいですので、仮に冷めても美味しく召し上がれるように設計しています。野菜8割肉2割ですので、『体にも嬉しい餃子』を目指して作っています」(『嬉しい餃子商店』和田卓也さん)
まとめ
今回は「定番レギュラーセット」で餃子を食べましたが、実はその餃子の種類も豊富で7品も展開。生活者にとっての「嬉しい」を、言葉だけでなくしっかりと実現する『嬉しい餃子商店』。最後に今後にかける思いも聞きました。
「餃子のある団らんが明日の活力へとつながる『嬉しい食卓』、そして日々の生活を頑張る自分へのご褒美につながる『ご褒美餃子』の2つをコンセプトに日々餃子を焼いています。地域に愛されるお店になれるよう、お子さんから大人まで家族みんなが『嬉しい』と思えるメニューを揃えていますので、ぜひご利用いただければ幸いです」(『嬉しい餃子商店』和田卓也さん)
群馬エリア3店舗のみの営業というのが少々残念で、この味は全国的に見てもかなりハイレベルだと思いました。群馬の地元の人たちはもちろんですが、もし群馬に訪れる県外の人も『嬉しい餃子商店』の各メニューをお土産代わりにテイクアウトしてみてはいかがでしょうか。その味に驚いていただけるはずです。
(取材・文◎松田義人)