ミルクチョコレートがギッシリ詰まった「チョコッペ」を堪能!

ここまでで、「チョコッペ」がいかに“すごいパン”なのかがわかったところで、「チョコッペ」を実食です。帯を外し、ソフトフランスパンの切れ目を開いてみると、ミルクチョコレートのクリームがぎっしり敷き詰められています。硬すぎないソフトフランスパンはモチッとした食感で、噛みしめると、豊かな小麦の風味が口いっぱいに広がります。美味しいソフトフランスパンと濃厚なミルクチョコレートクリームの相性が素晴らしく、甘すぎずビターすぎないほどよいバランスです。

豪快にかじりついていただくのも良いですが、千切って少しずつ食べるのもおすすめです。また、担当者によると、トースターやオーブンで2~3分軽く温めなおすと、中のクリームが柔らかくとろけ、ソフトフランスパンがサクサクとした食感になって美味しいとのこと。さらに、冷凍した「チョコッペ」を自然解凍してもパンのサクサク感が増して美味しいそうです。
シンプルかつ奥ゆかしい味わいの「チョコッペ」だからこその楽しみ方ですが、中には「チョコッペ」のオリジナルアレンジをいくつも考案する熱狂的なファンもいるとのことです。
「チョコッペ」の兄弟商品と、それ以外の絶品パンとは?

また、「チョコッペ」には兄弟商品もあり、中のクリームをピーナツバタークリームにした「バタッペ」、ハムを挟んだ「ハムッペ」などもあり、こちらも人気商品だそうです。
さらに、『ケルン』の店内を見回すと数多くのパン、惣菜系パンがあります。試しに筆者は「チョコッペ」以外にもいくつかのパンを買ってみましたが、特に絶品だったのが以下の3種です。

まずは、「クロワッサンベーグル」。パンの周囲のパリパリ感と、ベーグルのモチモチした食感のいいとこどりした一品で、かなり美味しくいただけました。
かなり衝撃の味だったのが「とろ~りチーズバーガー」。ベーカリーのバーガー系パンの領域をはるかに超えた一品でバンズ、ハンバーグ、キーマカレー、野菜、チーズの味が、口の中で渾然一体となり絶品中の絶品でした!
最後は、「至福の明太子フランス」。「至福の」とついている通り、一歩抜きん出た味わいでした。明太子の名ブランド『かねふく』とのコラボ商品で、発酵バターとマヨネーズを加えた明太子バターをたっぷりと挟んだボリューム満点のパン。これもまた「チョコッペ」と合わせて食べてほしい一品です。
ケルンのパン作りの源にあるのは「カッコつけないこと」
ここまで話を聞き、実際に食べたことで、神戸の人を心から羨ましく思う筆者。ですが、前述の通り『ケルン』では商品限定ですが全国で宅配を行っています。もちろんこの中には「チョコッペ」も含まれているので、ぜひゲットしてみてください。
また、来年2024年は「チョコッペ」の50周年だそうです。そこで、改めて代表者に思いを聞きました。
「『ケルン』では49年間愛され続けた『チョコッペ』をはじめ、人気の定番商品がたくさんありますが、開発段階で一番こだわっているのは、生地そのものの美味しさです。ベースである生地が美味しくなければ、いくら高級な食材をトッピングしてもすべて台無しになってしまうからです。そして、『カッコつけない』ということも大切にしています。誰しもカッコつけようとすると、お客さま目線ではなくなり、結果的に売れないパン作りとなってしまいます。あくまでも、『お客さまが望んでいるパンを作る』ことをモットーにこれからも努力し続けたいと考えています」(『ケルン』代表者)
まとめ:神戸で49年愛されるご当地パン「チョコッペ」は確かに絶品だった。そして、その味を守り続けてきた『ケルン』のストイックな姿勢も多くの人が支持する理由だった!
「チョコッペ」の味、そして製造する『ケルン』代表者からのアツい思いを聞き、感動を覚えました。また、来年「チョコッペ」50周年を迎えるにあたり、「チョコッペとの思い出」を全国から募集し、来年にはチョコッペファンのための本(冊子?)も制作する予定だそうです。今後さらに注目を浴びるであろう「チョコッペ」。ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか。
(撮影・文◎加賀ま波、松田義人)