「鉄瓶」を使うと普段のコーヒーやお茶が格段においしくなる理由は?

「鉄瓶」を使うと普段のコーヒーやお茶が格段においしくなる理由は?
東屋 鉄瓶 12,000円(税抜)容量1リットル | 食楽web

 日本茶を好きになったのはいつのことだったか。子供の頃、夕食後に家族でお茶を飲むという時間があったが、今思えばあまり美味しいと感じていなかった気がする。だいたいお茶の味というものは子供にはなかなかわからない。それが今ではしみじみと緑茶を美味しいと感じるようになったのだから人間は変わるものである。

 お茶をおいしく飲むならまずは「水」。とはいえ名水をいつも用意しておくなんてわけにもいかない。そこで「鉄瓶」の登場である。なぜ鉄瓶なのか。それはたとえ水道水であっても鉄瓶で湯を沸かすことによって水道水のクセの原因となっているカルキ(塩素)をほぼ除去し、まろやかな水に変えてくれるから。そう、鉄瓶は水をおいしくするのである。

 効用はそれだけではない。鉄瓶の使用は鉄分補給に効果がある。鉄肌の表面から溶け出す鉄イオンは体内への吸収率が高く、日常的に摂取することで自然に鉄分を補うことができる。おいしい水と鉄分補給の一石二鳥。あとはどの鉄瓶を選ぶか、ということで今回紹介するのが東屋の鉄瓶である。

 東屋は日本各地の職人や地場産業の作り手を探し、その伝統的に受け継がれた技術で現代の暮らしに合った良質な日用品をプロデュースし続けている会社。ファンシーな生活雑貨が世の中に溢れる中で、確固たる美意識で硬派なモノ作りをしている貴重な存在だ。

 この鉄瓶は東屋が岩手県水沢の鋳物メーカーに製造を依頼しているもの。水沢と言えば盛岡と並び約900年の鋳物生産の歴史をもつ、南部鉄器の二大産地のひとつである。

 鉄瓶にありがちなゴテゴテ感や仰々しさのないシンプルで控えめなデザインがとにかく嬉しい。平たい形は湯が沸きやすく、また底面に凹凸をつくることでIH対応になっているそうである。モダンリビングで使用しても全く違和感のないデザインだ。

 おいしいお湯をつくる鉄瓶の効用は、むろん日本茶を飲むときに限ったことではない。それこそコーヒーをドリップするのに鉄瓶でお湯を注ぐ、なんていうのも悪くない。自分流の使い方で鉄瓶を我がものにしてみてはいかがだろう。

●著者プロフィール

大熊健郎

大熊健郎

CLASKA Gallery & Shop DOディレクター。1969年東京生まれ。インテリア会社、編集プロダクション勤務を経て2008年CLASKAのリニューアルを手掛ける。同時に立ち上げたライフスタイルショップ「CLASKA Gallery & Shop DO」ディレクターとして、バイイングから企画運営全般を担う。
http://do.claska.com/