ショウガの風味が強烈なラーメンにはからあげの姿も!

いただいたのが「イチオシ唐揚げ定食」(1300円)。からあげ×ラーメン×ご飯というスペシャルな組み合わせです。まずはラーメン。チャーシューではなくカットしたからあげがのっているではありませんか。筆者としてはチャーシューよりもこちらのほうがありがたい。これを見ただけでこのお店に恋してしまいそうです。

スープをひと口含むと、濃いめの醤油味の中からショウガの風味がガツンと攻めてきます。レンゲでドンブリの底をさらうようにかき混ぜると、沈んでいたショウガが拡散されて、さらにその爽やかな風味が強まります。これはショウガ好きにはたまらないラーメンですね。ツルッとした舌ざわりが抜群にいい麺との絡みもバツグン。からあげも衣にスープが染み込んでこれまた美味。ヘタなチャーシューよりもこちらのほうが断然イイ!
やさしいショウガの風味が安定感ある定食を演出

続いてからあげをいただきます。かなり大きめのからあげが3個。箸で持ち上げてみるとけっこうな重量感です。「揚げる前は70gほどあります」と店長の岩田百音さん。そりゃデカい! 揚げると水分が抜けて小さくなりますが、それでも50gほどはありそうです。
大きいサイズにこだわったというこのからあげ、サックリとした食感の衣を突破すると、フワッとやさしい歯ざわりの肉が現れます。肉汁も十分で、ショウガの風味が実にイイ。あっさりめの味付けですが、のどから鼻にかけて抜けていくショウガの爽快感がたまりません。

ラーメンのショウガは勢いよくガンガン攻めてくる感じですが、からあげの場合はその真逆の印象です。肉の旨みとショウガの風味が手を取り合って、おだやかに歩み寄ってくるような感覚。このバランスが絶妙ですね。どちらも強烈orあっさりだと飽きがきたり物足りない感じがしたりするものです。
そしてからあげの旨さを受け止めるご飯には、特製のネギ味噌がのっています。岩田店長によると、ショウガとネギを混ぜ合わせて作ったものだそうで、これがまた白いご飯に合う! できればもうちょっと多めに…なんて思ってしまいました。これはある意味、ショウガづくしの「ショウガ定食」でもありますね。

ちなみに、こちらのお店の運営元は、塩ラーメン専門の『シオソバくわばら』を1号店としてオープンし、2号店として玉ねぎにこだわったラーメンの『タマネギヘッドバッド』を開店。そして3号店として満を持してオープンしたのが、この『ジンジャーヘッドバッド』なんだそうです。
「いま4号店の計画も動いているんですよ」と岩田店長。まだ計画段階ということで詳細は教えてもらえませんでしたが、塩、玉ねぎ、ショウガとくれば次に何が続くんでしょうか。筆者はビリビリくる唐辛子系かな、と想像しています。そして、そこでもからあげとラーメンが楽しめればいいな、とひそかに願うのでした。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。