ジェットコースターみたいな美味しさのカレーあんかけにテンション爆上がり!

目の前にやってきたのは、色鮮やかな具がたっぷりのカレーあんかけがかかったチャーハン。ジャガイモやニンジンじゃなくて、カラーピーマンが中華っぽい? 目玉焼きも乗っていて、とっても華やかです。そして半ラーメン。チャーハンについてくるスープがわりってことかなぁと思っていたら、ちゃんとハーフサイズ。のり、メンマ、ネギものっている。思っていた以上にボリュームがあって、思わずにやけてしまいます。
「チャーハンは卵とネギのシンプルなものですが、あんかけのカレーには、タマネギ、ニンジン、赤ピーマン、にら、しめじ、ナス、あさり、肉が入っています。中でもあさりはいい味が出るので、うちのメニューには炒め物でも、あさりが入っているものが多いんですよ」とオーナー。

もちろん、あんかけのカレーもこだわりが。「イメージは麻婆豆腐に豆腐じゃなくて野菜を入れる感じですよ」。ん? 麻婆豆腐? よく聞くと、油をひいて調味料などを入れる手順など途中までは麻婆豆腐と同じ。途中で豆腐ではなく野菜、そしてオリジナルのカレーペーストを入れることであんかけが完成するとのこと。コク出しに甜麺醤、辛味に豆板醤などを使っています。そして目玉焼きを飾るのは「マイルドにするためですよ」。なるほど~。
そして、目玉焼きの上にかかっているのは山椒とシャンランフン。シャンランフン?「クミンなどが入っているパウダーですね。香り付けに」。まさかの麻婆豆腐から進化した中華風のカレー、もし家でやるなら、麻婆豆腐の素買って、山椒とクミンパウダーかけたら近づくかなぁ。家で挑戦したくなってきます。

そもそも、なぜ「カレーあんかけチャーハン」を出すようになったんですか?「他のお店でドライカレーのチャーハン食べたんだけれど、パサつくしむせる。なんかしっとりしたカレーでできないかと考えたのがきっかけですね。当時スープカレーが流行していたプラス、福建チャーハンというスープチャーハンがあるので、その両方をイメージして、カレーのあんかけルーにしたらいい、と考えて作ったんですよ」。
他のお店でカレーライスを出しているところに食べに行ったり、自作のカレールーで作ったり、チャーハンにかけてみてバランスを考えたりするなど試行錯誤の結果、麻婆豆腐の調味料を足していくやり方が生まれたとのことです。
中華料理の店で出てくるカレーって、ラーメン用に作ってあるスープストックにカレースパイスや具を混ぜて、みたいな、スープからのカレーが主流だと思うけれど、麻婆豆腐スタートの途中からカレー、は初めて聞いた。おそらく『上海菜館』だけだと思う。

「カレーあんかけチャーハン」を頼むのは、近くのサラリーマンや常連さんはもちろんですが、小さな子供を連れた親子連れのお客さんも多いとのこと、「お母さんがカレーあんかけチャーハン食べて、小さいお子さんが半ラーメン食べてね。その方が安く済んで嬉しいでしょ」。なるほど。半ラーメンだと小さい子にもちょうどいいし、親子連れに受けるの、納得です。
ちなみにお店の一番人気は定食。ゴハン、おかず、半ラーメンのセットとのこと。「ボリュームがあるからね。若い人に特に人気なんですよ」。定食は、「酢豚風ロース定食」(1200円)や、「信玄鶏唐揚げ定食」(1200円)など、確かに魅力的。ガッツリ食べたいときに良さそうです。

麻婆豆腐マイナス豆腐プラスカレーの「カレーあんかけチャーハン」。いざ味わってみると、最初は優しい口当たり、しかし食べ続けると山椒やスパイスの辛さや痺れが重なり始め、後半は辛さが一気に加速する、まるでジェットコースターのような味わい。辛味の曲線がすごい、というか、途中から香りと辛味が爆上がりする感覚? これは絶対クセになる!
この味を知ってしまったら、さらに名物「焼きチーズ麻婆豆腐」が食べたくなる! おそらくこのジェットコースター感にチーズのまろやかさがあるんだろうなぁ。次回食べにくるときは、数人で来て、気になる料理全部を味わうことにします!
(取材・文◎いしざわりかこ)