京都生まれのからあげはどんな味わいなのか?
「梅しん からあげ定食」に付いてくるからあげは6個。用意されている8種類のからあげの中から好きな2種類(各3個ずつ)をセレクトできるシステムです。からあげの味の内訳は次の通り。『梅しん』でも提供されている「オリジナルスパイス」、「秘伝のたれマヨ」、「特製ぽん酢」の3種のほか、「タルタル南蛮」、「ゆず七味」、「スパイス香るカレー」、「チーズクリーム」、「スイートチリマヨ」。今回は、京都の『梅しん』で特に人気だという「オリジナルスパイス」と「秘伝のたれマヨ」をオーダーしました。
まずは「オリジナルスパイス」からいただきます。1個30gほどと、最近のトレンドから見るとやや小振りなサイズ。ひと口目からスパイシーな風味がじわり。と言っても「ピリッ!」とくるアグレッシブな辛味ではなく、丸みのあるまろやか系のスパイシーさ。旨みもしっかり感じられ、食欲をグイグイ後押ししてくれます。スパイシーなからあげは何度も食べたことのある筆者ですが、これはかなり優しい味わい。じっくりと、そしてゆったりと舌をスパイス風味で包み込むようで、実に美味しいです。
パリッとした衣は、たっぷりの肉汁に飲み込まれるようにして、スパイスと一緒にじわじわと溶けていきます。肉の旨みとスパイスの風味が一体となって最高の組み合わせですね。とにかく肉汁の量がハンパなく、ひと噛みしただけで口の端から滝のように流れ落ちてきます。
たれマヨが肉汁とミックスされて旨さが倍加!
続いて「秘伝のたれマヨ」をいただきます。これがからあげグランプリ・味バラエティ部門で金賞に輝いた逸品。たれとマヨネーズをたっぷりと身にまとったからあげ、見ただけで美味しさが伝わってきます。ちなみに京都の『梅しん』はホルモン店も経営しており、まかないでからあげにこのタレをかけて食べていたそう。それが好評だったため、商品化したのだとか。
ひと口食べてみて驚いたのは、たれマヨの味が意外に強くないこと。甘辛い風味が口の中で炸裂するかと思いきや、けっこう控えめに広がっていく感じ。からあげの味とケンカすることなく、いい脇役に徹している印象です。
ソース系からあげを食べるときのお約束として、断面から流れ出る肉汁に、お皿の上に残ったたれマヨを絡めて頬張れば、肉の旨みとミックスされて、美味しさ倍加。最初に食べたオリジナルスパイスとはまるで違う味わいです。2種類選べる意味がわかりました。味への飽きがまったくありません。合計6個のからあげですが、もっと食べたいと思わせてくれます。
コロナ禍を経て、からあげのお取り寄せもずいぶん充実してきましたが、『梅しん』と『あげまる』さんのように“提携”というかたちで遠いエリアの味が楽しめるお店が、今後もどんどん増えて欲しい、と思った次第です。
●SHOP INFO
店名:からあげワインバル あげまる 市ヶ谷店
住:東京都千代田区九段南3-7-8 九段MMIビル 1F
TEL:03-6272-8178
営:11:30~14:30、17:30~23:00
休:日曜
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。