長野のご当地からあげ「山賊焼き」とは? 歌舞伎町の『酒晴』で食べてきた!

歌舞伎町の『酒晴』で長野のご当地からあげ「山賊焼き」を食べてきた
信州山賊焼き。付け合わせにキャベツが添えられています | 食楽web

 ご当地からあげのひとつに“山賊焼き”というものがあります。大ぶりの鶏肉をからあげにしたもので、長野県の中信地方(松本市・塩尻市・安曇野市など)で古くから親しまれている郷土料理のひとつ。「からあげなのに山賊焼きなの?」と不思議に思われる方もいるかもしれませんね。名前の由来は諸説ありますが、かつては少量の油を鍋に入れて、焼くようにして揚げていたとも言われます。また決して山賊が食べていたわけでもないようです。

 その山賊焼きを東京で味わえるのが、新宿・歌舞伎町にある『酒晴』。日本酒の仕入れで長野に出向いたオーナーの高橋智行さんが現地で食べた山賊焼きに魅了され、メニュー化したのだそう。こちらの「信州山賊焼き」(1,280円)を、たっぷりのキャベツと一緒にいただきます。

信州山賊焼き・ハーフ
信州山賊焼き・ハーフ

 片栗粉ベースの衣は歯を立てると「ガリッ!」というワイルドな音が。歯に対して一瞬の“抵抗”を見せる衣ですが、すぐにパラパラと崩れます。軽いお焦げが絶妙な香ばしさで、しょうゆベースの濃い味付けの肉と混じり合い、ガツンと迫ってくる濃厚な味わいが特徴。お酒のアテにもいいのですが、ごはんにも合わせてみたくなります。マヨネーズや岩塩、七味などで味変も楽しめます。

塩麹にひと晩漬け込んだ「ひな鳥の素揚げ」
塩麹にひと晩漬け込んだ「ひな鳥の素揚げ」

 そしてもう一品「ひな鳥の素揚げ」(780円)もいただきました。「塩麹にひと晩漬けています」とオーナーの高橋さん。塩のみで味付けしている一般的な素揚げとは明らかに違う味わいで、これまた新鮮。味に深みがあり、なんとなくフルーティーな風味さえただよいます。飲み込む直前に肉のうま味がのどから逆流してくる“2度美味しい”パターンの素揚げです。表面の皮もパリッパリで、こちらもお焦げが抜群に美味い!これも塩麹の効果でしょうか、香ばしさにやや丸みがあるように感じます。

 この山賊焼きとひな鳥の素揚げ、それぞれハーフサイズもあります。お店には長野の日本酒もあるので、山賊焼きとのマリアージュで“信州気分”にひたってみるのはいかがでしょう。

●SHOP INFO

酒晴 歌舞伎町店 店内

店名:酒晴 歌舞伎町店

住:東京都新宿区歌舞伎町1-17-5 和田久ビル2F
TEL:03-5273-8270
営:月~木18:00~03:00
  金・土18:00~05:00
  日・祝17:00~24:00
休:無休

●著者プロフィール

松本壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。