これぞ究極! 完璧&理想的すぎる「かつ丼」を西荻窪の『坂本屋』で食べてきた

これぞ究極! 理想的すぎる「かつ丼」を西荻窪の『坂本屋』で食べてきた
『坂本屋』のかつ丼 | 食楽web

 あまりに慣れ親しみすぎて、味の正解がわからなくなっている食べ物が、筆者にはいくつかあります。例えばかつ丼。普通の卵とじタイプです。

 なぜこんなことを書くのかというと、最近、食べ歩きが趣味の友人に「かつ丼好きなら絶対に食べるべき」と、あるお店を薦められたからです。それが東京・西荻窪の『坂本屋』。「東京 かつ丼」で検索すると必ず上位に出てくる超有名店です。友人は自信満々に「東京で最も理想的な“卵とじ”だ」と言うのです。

 それに対し、「卵とじねぇ……」と、一瞬、遠い目をしている自分に気がつきました。確かに「卵とじかつ丼」は、子どもの頃から折に触れて食べてきました。しかし、最近は正統派のかつ丼を食べる機会はぐっと減り、むしろソースカツ丼やタレカツ丼など、ご当地系カツ丼をよく食べています。たま~に「卵とじかつ丼」を口にしても「まあ、こんなもんだよな。タマゴ、もうちょい半熟がよかったかな」という程度の感想を胸に抱きつつ店を後にする──つまり、どこで食べてもそこそこ美味しいもの、というのが卵とじかつ丼への評価になっていたわけです。

 そこで、「理想の卵とじかつ丼って、そもそもどんなの?」と友人に聞いてみると、卵のとじ方の重要性について鼻息荒く語り出し、非常に話が長くなりそうだったので、「わかった! とりあえず、食べに行こう」ということで、後日、西荻窪で会って、その『坂本屋』に行ってみることにしました。