欲張りメニューを果たして食べ切れるか?

さて、どこから食べようかとワクワクしながら、まずは豚の唐揚げ。香ばしく揚がった醤油色のそれは、衣が厚く、しかもかなり甘めの衣。なんとなく懐かしい味がします。しかもベタベタしておらず、油切れが良くてサクサク。ラー油をかけて食べると塩梅がちょうど良く、これはご飯が進む味。チャーハンは、ハム、玉子、ネギ入りで、ふんわりパラパラタイプ。こちらも油っぽさや味が濃すぎることもなく、唐揚げや中華スープにピッタリ。さあ、どんどん食べますよ。
続いて、餃子。これは圧巻でした。薄い皮にぎゅうぎゅうに餡が入っていて、はち切れんばかり。ニラや豚肉を限界まで包んであるから、噛むとプリッ、そしてジュワ~ッと餡と肉汁が口中にこぼれ出ます。甘くてジューシー。何もつけなくても、いや、何もいらないくらい旨みたっぷりです。一緒に頼んで正解でした。

唐揚げ、チャーハン、餃子。最高の贅沢な三角食いをしながら食べ進んで、テンションも上がりまくり、「結構食べたな」と思ったとき。あれ、と気づきます。なんと料理のバランスが崩れません。それどころか、まるで食べていないかのようにそれぞれの料理が綺麗に残っている。つまり、料理の盛りが、一般的な店よりずっと量が多いのです。ここで「食べ切れるかな」という一抹の不安がよぎりました。
加えてハッと気づかされたのです。周囲のお客さんの熱い視線は、「一人であんなに食い切れるのか?」という注目だったのかもしれないのです……。しかし、そう思うと、むしろ俄然、やる気が出てきました。

というわけで、きっちり完食し、最後は水を飲みながら、ベルトを緩め、次回来た際のメニューを見る余裕もありました。次は「もやしそば」か「カレー」にします。そして『タカノ』の全メニューを制覇したいという野望も出てきました。
ぜひ、皆さんも『中華料理タカノ』で食べるメニューをあれこれ悩んでみてください。その時間がとても楽しいんです。そして私のイチオシは実は餃子。次回も餃子は間違いなく注文します。
(撮影・文◎土原亜子)