和歌山が誇る最強のきのこ「龍神マッシュ」とは? 龍神村で生まれる幻の巨大しいたけを追う

和歌山が誇る最強のきのこ「龍神マッシュ」とは? 龍神村で生まれる幻の巨大しいたけを追う
食楽web

 東京・有楽町の交通会館に、『わかやま紀州館』という和歌山県の名産品が集まるアンテナショップがあります。数年前、ここでちょっとびっくりするほどでっかい椎茸が販売されているのを見かけました。

 その椎茸、ただ貫禄があって美しいだけでなく、どこかしらプリッとしていて、愛嬌があるのです。椎茸の入った袋には“龍神マッシュ”と書かれていました。ずいぶん勇ましい名前だなぁ、と感心しました。

 結局その日は買わずに帰ったのですが、後になって、あの龍神マッシュをわざわざ仕入れている料亭やレストランも多いと聞き、大後悔しました。「バターをのせてこんがり焼いて、醤油でもちょいとたらして食べたら最高だっただろうな」と。

 ところが最近、和歌山県田辺市を訪れる機会があり、その龍神マッシュが生まれる龍神村の生産現場を訪ねることができました。

 龍神村の場所は和歌山県中部の東側、高野山と熊野古道を結ぶ中間地点。土地の約70%を標高500m以上の山岳が占め、総面積の約90%を森林に覆われた秘境感満点のエリアです。

 山間部ならではの澄んだ空気と清流・日高川のせせらぎ……。豊かな自然に恵まれた龍神村は、日本三美人湯のひとつとして知られる龍神温泉が湧き出ていることでも有名です。