日本のインド・高円寺に新たなカレー屋が出現! 毎日食べたくなる不思議な『マントラ』のカレーが奥深い

トッピングで味わうスパイスカレー

 カレーのメニューは3種類。チキン、ポーク、キーマで、すべて980円。ちなみに、トッピングなしは850円ですが、絶対に“トッピングあり”をオススメします。また、カレーは単品だけでなく、2種盛り(1130円)、3種盛り(1380円)を選べるので、お金に余裕があれば、ぜひ2種盛り、3種盛りを。その理由は後ほど説明します。

カレー3種盛り(1380円)、左がチキンカレー、ライスの上にキーマカレー、右がポークカレー
カレー3種盛り(1380円)、左がチキンカレー、ライスの上にキーマカレー、右がポークカレー

 カレー3種盛りが登場しました。中央のサフランライスの上、そして左右に異なるカレーがかけられ、さらに色とりどりのトッピング。その数なんと8種類。しかも、すべて異なる手法で調理されている副菜です。一覧にすると以下の通り。
・ブロッコリーのアンチョビマリネ
・甘酢とレモンで漬けた赤玉ネギのアグロドルチェ
・ビネガーとクミンの香りがするキャロットラぺ
・バルサミコ酢で漬けたうずらの卵のマリネ
・プチトマトのピーチリキュールピクルス
・マスターシードとショウガ、レモン仕立ての大根のアチャール
・白ワインとローズマリーの香りのキノコのマリネ
・ピッツァ生地を揚げたゼッポリーネ

 ここまでくると、もはや酒のつまみプレートのような気もしてきます。

 そして肝心のカレーです。これにはちょっと驚きました。高円寺の個性の強いカレーに比べると、非常に“おとなしいカレー”です。スパイシーには間違いないのですが、辛くはありません。いわゆるカレーに刺激を求めているタイプの人にとっては、もしかすると物足りないと感じるかもしれません。

 しかし、先ほどのトッピングと一緒に食べてみると、このカレーの良さがよくわかります。それは、この器の中で起きる不思議なかけ合わせとバランスの妙です。おとなしい味のカレーにトッピングを混ぜて味わうと、8種類の野菜の特有の酸味、苦味、甘み、独自のクセ、香りを際立って感じることができます。例えば、桃の香りがするプチトマトのマリネが、酸味のあるポークヴィンダルーに出会う。それが、刺激とは異なる複雑な味わいを醸し出すわけです。

チキンはホロホロになるまでスパイスで煮込まれており、ポークはマリネしているのでヴィンダルー系の酸味で柔らか。キーマは粗挽きでゴロゴロした食感
チキンはホロホロになるまでスパイスで煮込まれており、ポークはマリネしているのでヴィンダルー系の酸味で柔らか。キーマは粗挽きでゴロゴロした食感

 店長の森野竜太郎さんにお話を伺うと、『マントラ』が目指したカレーは、「毎日食べたくなる味」だそう。そこで、旬の野菜を使うトッピングに力を入れたと言います。

森野さんは前職で、イタリアン系の料理を作った経験から、その手法をカレーに活かしている
森野さんは前職で、イタリアン系の料理を作った経験から、その手法をカレーに活かしている

 つまり、『マントラ』のカレーは、メインがカレーなのか、トッピングなのか、ちょっとわからないところが魅力。でも、その掛け合わせ次第で、いろいろな味の発見があるのです。そんな不思議なマントラのカレー。ぜひ体験してみてください。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

スパイスカレーマントラ

店名:スパイスカレーMANTORA(マントラ)

住:東京都杉並区高円寺南4-49-1
TEL:未開通
営:ランチ11:30~15:00(14:30LO)、
  ディナー17:00~23:00(22:30LO)
休:月