斬新すぎる! 都電荒川線で発見した「カレーチーズたい焼き」とは?

斬新すぎる! 都電荒川線で発見した「カレーチーズたい焼き」とは?
食楽web

 テレビのグルメ番組を何気なく見ていると、時々「一体、何コレ?」と思ってしまうような、味の想像がまったくできない謎メニューに出くわしますが、7月13日放送の「ぶらり途中下車の旅」(日テレ)に登場したのも、そんな料理。

 俳優・木下ほうかさんが “東京さくらトラム(都電荒川線)”での旅の途中で見つけた「カレーチーズたい焼き」(500円)です。まさに、不思議メニュー。味も食感も、まるで想像できませんが、妙に心に引っかかる…。そこで、実際に食べてみよう、ということで行ってきました。

東京さくらトラムの「小台駅」徒歩20秒の場所にある『生活茶屋』というカフェにそのメニューはあります
東京さくらトラムの「小台駅」徒歩20秒の場所にある『生活茶屋』というカフェにそのメニューはあります

 番組内で、木下さんは、『生活茶屋』の店先の看板にあった「カレーチーズたい焼き」のイラストに目がくぎ付けになっていました。そのイラストがこちら。

 カレーライスにタイが泳いでいる?? なんとも不思議なイラスト。その看板をしっかり確認し、いざ入店。

テーブル席、カウンター席、さらに奥には畳の小上がり席も
テーブル席、カウンター席、さらに奥には畳の小上がり席も

 さっそく「カレーチーズたい焼き」を注文して待つこと約10分。登場したのは、テレビで見たとおり、魚の形をした真っ白で大きなお皿。カレールーにたい焼きが泳ぐような状況です。さらにカレーにはチーズがたっぷり乗っていて、たい焼きが泡を吹いているようにも見えます。食べる前に店員さんがバーナーでチーズに焼き目をつけてくれました。

バーナーで焼いたチーズの香ばしい香りが食欲をそそります
バーナーで焼いたチーズの香ばしい香りが食欲をそそります

 しかし、イラストとは違い、ライスは入っていません。なぜ? そこで店員さんに質問。すると「ライスはイメージで、 “たい焼き”をナンに見立ててお出ししているんです」とにっこり。

たい焼きの中身は?

 さっそくナンに見立てたという “たい焼き”にナイフを入れてみると、中からとろりとしたチーズと、エビやベーコン、ピーマンといった具材が出てきました。これは、まるでピザの具材。しかも完全なる塩味です。

たっぷりかかっている特製カレーは、辛すぎず、非常に家庭的なまろやかな味わいです
たっぷりかかっている特製カレーは、辛すぎず、非常に家庭的なまろやかな味わいです

 そして、“たい焼き”自体も、甘めのパリッとしたタイプではなく、塩味系で、なおかつ、ふにゃっとした柔らかタイプ。お店の方によると「このたい焼きの元は、お好み焼きに近い配合にしているんですよ」とのこと。ここで整理してみましょう。たい焼きなのにカレー味。ナンのようにしていただくけど、そこにはピザのような具材が入っている。不思議です。

 そこで、このメニューができた経緯をお店の人に聞くと、
「うちは昨年(2018年)12月に和カフェとしてオープンして、たい焼きやかき氷などの和スイーツを出していたんですが、いざオープンしてみるとお客様から食事メニューも欲しい、というご要望をいただくことがとても多かったんです。しかし、この店はガス設備がなくオール電化。そこで、たい焼き器を使って食事メニューを作ろうか、ということになったんです」

 つまり、“たい焼き型”の食事メニューしか作れないために、こんな面白メニューができあがったそうなんです。今春にこの「カレーチーズたい焼き」の販売を開始し、そのほかにも、たい焼き器でおかかごはんを焼いて“焼きおにぎり風”にし、そこにお出汁をかけていただく「たい焼き茶漬け」(500円)や、ソース味の「お好みたい焼き」(350円)など、次々にたい焼き型を使って作る食事メニューを考案したんだそうです。

「たい焼き茶漬け」500円
「たい焼き茶漬け」500円

 さらに、6月からは、「たい焼きバーガー」も発売開始。これがまた不思議なメニューで、たい焼き機でミンチ肉200gを焼いてパティにし、パプリカ、パイナップルを載せて、 “たい焼き”の皮をバンズ代わりにした一品。

「たい焼きバーガー」800円は土日限定、1日5食のメニューだそうです
「たい焼きバーガー」800円は土日限定、1日5食のメニューだそうです

「カレーチーズたい焼き」をいただいてみると、カレーはマイルドで優しい味わい。そしてお好み焼風のなめらかなたい焼きとよく合うんです。とくにチーズが全体をまとめ、まるでカレー味のチーズもんじゃをいただいているような感じがします。

 また、「たい焼き茶漬け」は、たい焼き型の焼き握りに和のお出汁をかけると、香ばしくて、とても和む味です。そしてどちらも適度な量で、食べやすい。最後に「たい焼き」もいただいてみることに。

「たい焼き」200円は、粒あん、こしあんから選べます
「たい焼き」200円は、粒あん、こしあんから選べます

 こちらの「たい焼き」は、外側に大きく“羽根”が付いたタイプで、しかも先ほどのカレーのたい焼きとはうって変わってパリッパリの皮でほんのり甘め。そして中は、北海道の特選高級小豆を使った小倉あん。こちらも甘さ控えめで、小豆の味がしっかり感じられます。

 というか…忘れかけていましたが、考えてみれば、もともとは和スイーツのお店。「たい焼き」が美味しくないわけありませんよね。 皆さんも都電荒川線を途中下車しながら旅をする際は、“変わりたい焼き”だけでなく、スイーツ“たい焼き”もぜひ期待して食べに行ってみてください。

(取材・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

和カフェ 生活茶屋

店名:和カフェ 生活茶屋

住:東京都荒川区西屋久2-37-6
TEL:03-6882-1936
営:10:30~18:00
休:火