海鮮丼ならぬ“海鮮麺”! 斬新すぎる『沢むら』の「ちらし麺」を食べてきた

海鮮丼ならぬ“海鮮麺”! 斬新すぎる『沢むら』の「ちらし麺」を食べてきた
食楽web

 一般的なラーメン店のイメージといえば、醤油、味噌、塩、とんこつのいずれか、と思う人が多いのでは? 担々麺や激辛麺などもあるけれど、ラーメンといえば、ほぼこんなイメージかと思います。

 しかし、どれでもない、新たな味を追求したラーメンが湘南・藤沢にありました! 向かったのは、藤沢駅からバスに乗り約8分、柄沢橋のバス停から歩くこと約5分、住宅街の中にある『鮮魚海鮮出汁麺 沢むら』。ここで味わえるのが寿司のようなラーメン「ちらし麺」です。

「ちらし麺(松)」1,300円。(竹)900円もある
「ちらし麺(松)」1,300円。(竹)900円もある

 この日の丼には、ネギトロ、イクラ、ホタテ、サーモン、ハマグリ、トビッコ、煮卵、ノリ、油揚げ、カイワレ、海藻などが盛り付けられ、とても華やか。具材は季節によって多少変動があります。ラーメンでもつけ麺でも、これだけ新鮮な魚介類が多種類盛り付けられているものには、なかなか出合えないのではないでしょうか。

もちろん具の下には中太の麺が。ちらし寿司ではなく「ちらし麺」です
もちろん具の下には中太の麺が。ちらし寿司ではなく「ちらし麺」です

 そして最大の特徴が、スープやタレではなく、味付けが店オリジナルの「寿司酢」なこと。ラーメンなのに寿司の味。数多あるラーメン店では見たことも食べたこともない、唯一無二の味です。

 ラーメンの麺に寿司酢? と不思議に思う人も多いかもしれませんが、スッキリとした中にもほんのり甘さを感じる、絶妙なマッチングです。トビッコがほどよく麺にからみ、プチプチ感も楽しい! ネギトロのまったり感、油揚げのジュワッと滲み出る感じなど、さまざまな味や食感が麺と相性がよく、ハーモニーを奏でます。ちらし寿司にこんな食べ方があるなんて、いや、ラーメンにこんな斬新なおいしさがあるなんて…ダブルで衝撃です。

店主の大原幸一さん。お客さんからは「何で(ちらしと麺が)合うの?」と驚かれる事も多いそう
店主の大原幸一さん。お客さんからは「何で(ちらしと麺が)合うの?」と驚かれる事も多いそう

 店主さんに「ちらし麺」を作ったきっかけを伺うと「寿司酢にラーメンを合わせたら普通に面白いと思って。日本では禁じ手っぽいけれど、海外生活が長かったこともあって、固定観念がないんです」とニッコリ。開発時、一番難しかったのは味のバランス。酸味、甘味のバランスに苦労したそうです。

盛り付けの美しさは元寿司職人ならでは
盛り付けの美しさは元寿司職人ならでは

 実は店主は寿司職人歴26年、その後ラーメン店を開いて約2年半。寿司職人からラーメン店の店主になったきっかけは「ラーメンが好きだから」。最初は月一でラーメンを出していたところ、評判が評判を呼び、今ではラーメン一本に。たとえ駅から遠くても、平日14時過ぎでもほぼ満席の状態です。

 ちなみにちらし麺は、寒い季節はあまり出ず、一番人気は「濃厚鶏出汁麺」(700円)または「鮮魚かつお出汁麺」(850円)とのこと。寿司職人の技術を持っている店主だからこその出汁の旨さを感じられる、あたたかい汁のラーメンがこれからの季節は人気です。

 不定期ですっぽん出汁のラーメンも登場するなど、和の贅沢な味わいのラーメンで、ファンを驚かせる店主。これからの季節は、「鶏辛麺」(850円)や「貝出汁麺」(900円)、そして「グリーンカレー麺」(900円)などが冬季限定で登場予定。ちらし寿司とラーメンの融合が想像できない、という人にこそぜひ食べに行ってほしいです。そのおいしさに、驚きと喜びが待っていますよ。

(撮影◎奥西淳二 取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

鮮魚鶏出汁麺 沢むら 外観

店名:鮮魚鶏出汁麺 沢むら

住:神奈川県藤沢市大鋸999-8
TEL:0466-23-0200
営:11:00~14:30、17:30~21:00(各LO)
休:水曜