JR大崎駅から徒歩5分弱。早朝8時に店に大福や団子が並び始めるやいなや、ひっきりなしにお客さんが訪れる人気の和菓子店があります。その名は『高松屋』。オープンしてまだ3年ですが、口コミで広がり、一度行くと常連化するリピーター率100%のすごい和菓子店なんです。
みんなのお目当ては、看板商品の「豆大福」や「みたらし団子」、「草餅など季節のもち菓子」など。商品数がたくさんあるわけではなく、スタンダードな素朴な和菓子ばかりですが、わざわざ電車に乗って買いに来るお客さんが多いのです。今回は、その魅力を探りに行ってきました。
絶品!焼きたてのみたらし団子
筆者が『高松屋』に伺った時、ちょうど小さなお子さんを連れた若いお母さんがいました。親子が注文したのは「みたらしだんご」(110円)。すると、店の奥でご主人が、串の刺さったお団子を焼き始めます。ちょっとお焦げがいい具合のお団子を、“みたらし”のタレが入ったボウルにドボンとくぐらせて、「ハイ、お待たせ~。どうぞ」とご主人。
子どもは嬉しそうにお団子を受け取りました。その満面の笑顔からも、その団子のルックスからも、食べずして、絶対に美味しいとわかってしまいます。そこで、筆者も「みたらしだんご」を注文して食べてみました。
焼きたてのホカホカ。口当たりはぷるぷる。噛むと上新粉のお餅がビヨーンと伸びて、むっちり。みたらしのタレの甘じょっぱさと、ちょっと焦げた団子の香ばしさが相まって、これ以上の味はないんじゃないか? と思うくらい最高。正直言って、こんな美味しい「みたらしだんご」を食べたことがありません。
「こちらの餅菓子は添加物が入ってないので、優しい味なんですよ」と先ほどの若いお母さんが教えてくれたのですが、まったくその通りで、とてもほっこりする味なんです。
さらに「豆大福が絶品ですよ」と教えてくれたので、こちらも食べてみることに。
ゴロゴロと赤エンドウ豆が入っていて、つかむと皮の餅はムニッとした赤ちゃんのほっぺのよう。中には重量感のある粒あんがびっしり入っています。餡は非常にさっぱりしています。そして、塩味と甘みのバランスがたまりません。この豆大福もみたらし団子同様、これまで食べた大福の中で一番美味しいと確信。
そこで、作り手であるご主人の高地寿樹さんに美味しさの秘密を聞いてみることにしました。