
神奈川県内でも有数のラーメン激戦区、平塚エリア。その中でも、イタリアン風、ではなく本格的イタリアンな味わいのラーメンが食べられると激アツなお店が『麺処 まるよし』。ラーメンなのに本格的なイタリアン? それってどういうこと?

平塚駅西口から徒歩5分の場所にある『麺処 まるよし』。地元で長年愛されてきたラーメン店『担々麺屋 炎』からリニューアルしてこの秋で約1年半。炎時代から人気の担々麺(750円)はもちろん、さっぱりとしたおいしさの「醤油らぁ~麺」(700円)も人気のお店です。

店に着き、早速この夏話題となったラーメンを注文。それは「醤油つけ麺 塩ライム」。中細のストレート麺に合わせるのは、鶏ガラや牛骨でとったスープに醤油ダレ、仕上げ油に鶏油・オリーブオイルの香味油・黒トリュフのオイルをまとったつけ汁です。
さらに、このつけ麺最大の特徴が、ワサビ、塩、ライムがのった小皿が添えられていること。これ、つけ汁の味変用? と思いきや、実はここにイタリアンが!
「オリーブオイルをからめた麺を塩だけで味わってください。お好みでライムも」と店主。実際にやってみると…ペペロンチーノ! すごく喉越しのいい、品のあるペペロンチーノです。衝撃のおいしさ! 一般的なペペロンチーノだとパスタの麺ならではの太さを感じますが、それより細い、ラーメンの麺のペペロンチーノは、スイスイツルツル味わえる感覚。塩やライムをちょっとかけて味わうと、爽やかすぎるおいしさです!

ペペロンチーノで楽しんだあと、今度は麺をつけ汁につけて味わうと、香味油や黒トリュフオイルの香り高い、スッキリとしたおいしさのつけ麺に! イタリアンからラーメンにいきなりチェンジします。うわ~すごい。まったく違うおいしさです。
塩をつけて麺だけで味わうとペペロンチーノ。つけ汁につけると一気にラーメン寄りになってつけ麺。イタリアン風じゃなくて本当にイタリアンとラーメンが両立しています。
さらにこのセット、ご飯もついているので、シメはつけ汁にゴハンを投入。麺に絡んだオリーブオイルがプラスされて深みを増したつけ汁は、ゴハンとの相性も良く、旨みがしっかりしているのにどこか軽やか。これはハマる。クセになるおいしさです。
しかしこのつけ麺、12~2月の冬期は休む予定。ただ、冬には冬の、あったかいイタリアンなラーメンがあります。それがこの「トマトチーズラーメン」です!

平打ち、幅広のストレート麺はパスタ麺のタリアテッレのよう。そしてスープは鶏ガラ、魚介などのダシに醤油ダレまではラーメンらしさがあるのですが、仕上げ油はオリーブオイル、なおかつトッピングにパルメザンチーズやモッツァレラチーズ、ケッパーに生ハムも。もはやスープパスタとラーメンの究極の融合状態になっています!

濃厚なトマトスープは平打ち麺とのからみもよく、時間がたつとチーズのまろやかさ、肉味噌の旨辛さが広がって、コクと旨みがどんどんアップしていきます。まさにラーメンとイタリアンのいいとこどり。ケッパーの酸味がいいアクセントになっています。隠し味にアサリをつかっているので、もはやボンゴレロッソ状態です!

もちろんシメには、ライスを追加注文。残ったスープを渡すと、チーズをのせて軽く炙り、トマトリゾットの完成! ちなみに半ライスは50円。お腹に余裕があるなら、これは絶対に追加オーダーすべき!

「リゾットまでぜひ楽しんでいただきたいですね。食べきれるか心配な場合は、最初に“麺を少なめ”で注文していただければ」と店主。実は店主は和食、イタリアンの元シェフ。知り合いのラーメン店に行った際、そのおいしさに衝撃を受けて、それまで軽視していたラーメンを自分でも作ろう! と思ったのが店を開くきっかけになったとのこと。なのでイタリアンや和食のアイデアと技術を活かしたラーメンやつけ麺が生まれるのです。
ちなみトマトチーズラーメンのスープに使っているのは、地元平塚で採れたハウス栽培のフルーツトマト。このトマトが採れる期間だけの販売になるので、春先までの期間限定になります。
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イタリアンから中華へ、そして和食のようにゴハンでシメて完結する、他にはないオリジナリティあふれるラーメンやつけ麺。今後も注目度・期待度大のラーメン店です。「醤油つけ麺 塩ライム」と「トマトチーズラーメン」、両方を味わうなら11月中に行くのがおすすめですよ。
(撮影◎奥西淳二 取材・文◎石澤理香子)
●SHOP INFO

店名:麺処まるよし
住:神奈川県平塚市明石町24-8
TEL:0463-24-1118
営:11:00~24:00、日曜11:00~21:00(各LO)
休:水