とんでもなく安いのにウマい!

――『開々亭』さんはどんなお店なんですか?
「創業50年以上の老舗です。ここ数年で、阿佐ヶ谷にあった町中華『光陽軒』や『朝陽』が相次いで閉店してしまい、僕が好きなチャーハンの選択肢が減ってしまい非常に残念に思っていますが、唯一の救いがこの『開々亭』さんが健在だということ。
――まず外観がめちゃくちゃ渋いですよね。
「ですよね。内観もまさに昭和感が漂っていて、店内には古い漫画本がずらりと並んでいたり、壁のあちこちに貼られたメニューも年季が入っていて、実に落ち着く雰囲気なんですよ」

――メニューを見ると、ラーメン、焼きそば、冷やし中華、カレーに酢豚や麻婆豆腐、レバニラなどの中華料理全般、さらにフライものなどつまみなど、いろいろありますね。
「めちゃくちゃたくさんあります。定食やセットメニューも豊富で、しかも安いんですよ。 例えば、〈とりからあげ&野菜炒め〉の定食で680円、これにラーメンが加わっても同じ680円(笑)。よくわからないと思いますが本当です。安いし量も多い。とにかくサービス精神がすごいお店です」

――『開々亭』さんは餃子が評判なんですよね。
「餃子もめちゃくちゃ美味しいですね。このお店に最初に連れて行ってくれた大学の先輩は、“開々亭の餃子は確実に人生ベスト3に入る”と豪語していました。僕もここに来たらチャーハンと一緒に餃子も頼みます。ちなみにチャーハンは600円、餃子は400円。1000円で食べられます」

――チャーハンはどんな感じですか?
「チャーハンはしっとりタイプ。しかもご飯に中華ダシがしっかり染みています。しょっぱすぎず、油っぽくすぎないので食べ疲れることもありません。たまに塩と油が強すぎて重く感じるチャーハンもありますが、ここのはそういうのがない。安心・安定の美味しさです」
――具材はどんな感じですか?
「具材のチャーシューが味の決め手になっています。そして大きめのふんわり卵の混ざり具合も絶妙。チャーハンのバリエーションとして、〈五目チャーハン〉もあるんですが、これにはタケノコが入っていて、食感が良いのであえてこちらを頼むことも多いです」

――もう1つの推しである餃子についてはどうでしょうか。
「一般的な餃子よりひと回りほど大きくて、ふんわりしています。中の餡はキャベツ、ニラ、そして豚ひき肉。肉多めだと思います。噛むと口の中で肉汁がジュワッと広がり、ニンニクや生姜のパンチも効いていて、味はしっかりしています。これが、あっさりしたチャーハンと合うんです」
![中の餡はとってもジューシー[食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2025/07/20250723-kaikaitei07.jpg)
というわけで、さっそく筆者も『開々亭』のチャーハン&餃子を食べに行ってきました。
お店は阿佐ヶ谷の商店街から外れ、住宅街が始まる静かな場所にありましたが、お昼時はどこからともなくお客さんがやってきて中に吸い込まれていきます。入店すると、壁中に貼られたメニューの多さ、そして安い価格帯に驚きました。
そして吉岡さんが激推しするチャーハン&餃子も最高に美味しかった……! ほかにも食べたい料理がたくさんあるので、今度は夜に行ってみたいと思います。
(撮影・文◎土原亜子)