愛媛・今治のご当地からあげ「せんざんき」って何? 渋谷で堪能してきた!

愛媛・今治のご当地からあげ「せんざんき」を渋谷で食べてきた
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素朴さとフレッシュさにこだわる「せんざんき」を東京で味わう!

 唐突ですが「せんざんき」をご存じでしょうか? 愛媛県今治市の郷土料理で、北海道釧路市発祥の「ざんぎ」と同様、いわゆる“ご当地からあげ”のひとつです。この名前の由来には諸説あり、はっきりしたことはわかっていません。中国語で骨付きからあげを「軟炸鶏(ルアンザーチ)」、骨なしからあげを「清炸鶏(チンザーチ)」と呼ぶそうで、これを「せんざんき」に置き換えたという説があるようです。

 さて、せんざんきを東京で味わえるお店が『今治・鉄板焼 やきとり 山鳥・渋谷店』。今治に本店を構える焼鳥の名店です。「せんざんき」(1個150円)がこちらの名物で、1個からオーダーできます。しっかり味わいたい私は5個お願いしました。こちらのせんざんき、嬉しいのは“骨付き”であること。骨の髄液にはうま味やコラーゲンが含まれているので、鶏に限らず、肉は骨の周辺が一番美味しいんです。こちらでは、この骨付き鶏を、今治市にある本店から送られてくるという衣に、しょうゆベースの秘伝のタレに漬けて揚げています。

 ところでからあげの衣の食感は“カリカリ系”と“フワフワ系”に大別されますが、山鳥のはフワフワ系の食感に仕上がっています。骨部分を持ってガブリといくと、このフワフワした衣に歯が沈んでいきます。衣は厚すぎず薄すぎず。肉汁もじんわりとこぼれてきます。昔懐かしい、お弁当などに入っていたからあげを思い出してしまう味でした。

 店長さんによると、この“昔懐かしい”という点がポイントのようです。「からあげは庶民の食べ物」とおっしゃる店長さん、そのため素朴な味を追求しており、余計な手は加えていないのだとか。また“フレッシュさ”にもこだわっているそうで、揚げ油も毎日新しいものを使っているそう。肉も日をまたいで使うことはなく、仕入れたその日のうちに提供しているそうです。

 東京で堪能できる本場のせんざんき。素朴さとフレッシュさにこだわった、からあげの本来あるべき姿に大満足しました。

●SHOP INFO

今治・鉄板焼 やきとり 山鳥 渋谷店

店名:今治・鉄板焼 やきとり 山鳥 渋谷店

住:東京都渋谷区道玄坂2-28-5道玄坂SUN・Jビル3F
TEL:03-3461-8200
営:17:00~24:00(L.O.23:30)
休:日・祝

●著者プロフィール

松本壮平

ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。