“薄衣”のからあげをピーマンとともに
“唐揚げ専門店発祥の地”とされる大分県宇佐市は、隣接する“唐揚げの聖地”中津市とともにカラアゲニストたちに注目される街で、からあげの激戦地でもあります。2014年には宇佐のからあげ専門店を舞台にした「カラアゲ★USA」という映画も製作され、話題になりました。この宇佐の名店『とりあん』は、からあげグランプリで最高金賞を受賞したことのある実力店。そのからあげを東京・幡ヶ谷で味わうことができます。
イートインもテイクアウトもやっているこちらのお店、毎日空輸されてくる九州産の鶏肉を、宇佐の本店から送られてくるしょうゆベースの特製ダレにつけて、片栗粉をまぶして揚げています。おすすめは骨なしもも100g、骨なしむね100gの「骨なしミックス」(600円)。モモ肉もムネ肉も、揚げたてをいただきました。衣がシャリ!としています。さすがは名店です。“薄衣”にこだわっており、余分な粉をはたいて落とす“後打ち”をしっかりおこなっているそうです。「衣が厚いと、油を吸ってしまいますから」と店長さん。肉はフワフワしており、肉汁もたっぷり。
肉の中までしっかりと熱を通すために“2度揚げ”をするお店が多いのですが、こちらではそれはしません。油に入れてから1分後に揚げ網で一旦油から出し、軽く空気に触れさせて数秒後に再び油の中に戻すという揚げ方ですが、熱はしっかり通っています。衣が薄く、肉も大きなものではないので2度揚げの必要はないのでしょう。美味しいからあげの作り方の基本をしっかりとおさえています。
ところでこちらのお酒好きの常連さんの間では、からあげをピーマンにくるんで食べるスタイルが人気なのだそう。私も試してみるべく「生ピーマン4切れ」(100円)をオーダーしました。ピーマンには独特の苦みはなく、シャキシャキした食感で、シャリッとした衣とフワフワの肉に合います。たしかにこれはお酒と一緒に食べたくなる味わい。からあげの新しい楽しみ方を発見できました。
●SHOP INFO
店名:大分唐揚げ専門店 とりあん 幡ヶ谷店
住:東京都渋谷区幡ヶ谷2-8-9サンライズ幡ヶ谷1F
TEL:03-5351-1755
営:月~金11:30~14:00、16:30~22:00
土11:30~22:00
日・祝11:30~21:00
休:なし
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。