大きいだけじゃない、脂の載った絶品の国産銀鮭が旨い!

「銀鮭海苔弁」は、竹皮を編んだ容器に入っていて、蓋を開けると、ドーンとビッグな銀鮭の切り身が出現します。その下にはちくわの磯辺揚げ、厚焼卵、煮しめ、浅漬けなども入っているのが見て取れます。何より、弁当箱から醸し出されている雰囲気が、いかにも高級です。
というわけで、いざ気になる中身をご紹介していきましょう。

銀鮭を持ち上げてみると、ズシッと重く、皮の焼き目が絶妙で、なんとも芳しい香りが鼻をくすぐります。箸を入れると、ふっくらやわらく切れて、身がぶ厚くて脂もノリノリ! こんな贅沢な鮭がお弁当に入っているのは見たことがありません。

その銀鮭の下に控えるのが弁当の主役たる海苔です。この海苔は、瀬戸内産の一番摘み「まる」等級海苔を使用しているそうで、美しく黒光りしています。香りもたまりません。
ちなみに海苔の“◯(まる)等級”というのは、若い芽だけを使って作る海苔のこと。柔らかいので目が詰まらず穴あきになるのが特徴。歯切れがよく、とろけるような食感の海苔です。

さらにごはんにも手抜かりなし。お米は、天皇献上米として認められた幻のお米として名高い『雪ほたか』(群馬県産コシヒカリ)を使用し、なんと、土鍋で炊いているそう。
口にすると、一粒ずつのお米の形が舌の上でわかるほど粒立ちがよく、さらにみずみずしさもあり、噛むほどにごはんの甘みがじわじわと口内に広がっていきます。冷えているのに、こんなに美味しいごはんがあったとは……スゴいの一言です。

そして、この「海苔弁」のスゴさがよくわかるのが、磯辺揚げ。これが普通のちくわの磯辺揚げのようで、実は違うのです。食べてみると、魚の旨味がぎゅぎゅっと濃縮されたような濃厚な味わい。実はこれ、イワシやサバの身を使った静岡県産特産黒はんぺんに、青のりをまとわせて揚げたものなんだそうです。

また、蓮根やコンニャク、にんじんなどの煮しめから、出汁巻き卵に至るまで、どれも料亭で出てくるような繊細かつ滋味深いお味。さらに写真を見ていただくとおわかりの通り、キュウリやカブの季節の浅漬けも色鮮やかで、キラキラしています。こちらも塩味控えめで、昆布味がしっかり効いた、至極のお漬物なんですよ。
まとめ

弁当箱の中にあるものすべてが美味しくて、大げさでなくかなり感動しました。「海苔弁」と名乗ってはいるものの、その味わいは懐石弁当レベル! となると、1100円というお値段は、むしろ安いのかもしれません。
銀座にお立ち寄りの際は、この『SALON GINZA SABOU』の海苔弁を買ってお土産にしてみてください。きっと喜ばれると思いますよ。
(撮影・文◎如雨露)