箸で触れただけでその美味しさがわかる!

いざ店内へ。壁にかかったメニューに目をやると、さすが荒木町の居酒屋とあって、おつまみが充実していますね。気になる料理がたくさんありますが、今回は脇目も振らず「白黒2色の鶏唐揚げ」をオーダー。1個から、好きな組み合わせで注文できます。筆者は白黒各3個の計6個(800円)をお願いしました。

7~8分ほどで登場した2色からあげ、目を白黒させるほどではありませんが、明確に2色です。これは面白い!

まずは白からいただこうと箸で挟んだ瞬間「お! この衣はゼッタイ美味しいぞ!」と確信した筆者。衣のサックリした食感が箸を経由して伝わってくるのです。これも筆者にとっては珍しい体験。こんなからあげは初めてです。

さっそく白からあげをパクリ。直感通り、衣はサックリしていて油切れも良好。実に美味しい衣です。ショウガの効いた肉もまた爽やか系の味わい。なんとなく“洋風からあげ”という印象。
店主の稲葉陽子さんによれば、「オリジナルのスパイスで味付けしています」とのこと。これはワインなどに合わせてみたいですね。

続いて黒からあげ。ニンニク醤油風味の、正統派醤油からあげという印象です。醤油を効かせているからでしょうか、衣の軽いおこげがまた美味。白とは違ってこちらの衣はシャリッとした筆者好みの食感です。
前歯でシャリッと食感を味わって、奥歯でジャリジャリとすりつぶしていく感覚がたまりません。鼻から抜けていくニンニクの風味も絶妙です。日本酒や焼酎のロックなどと合わせてみたいと思いつつも、白いご飯もいいなと思いました。
からあげメインのちょい呑みセットも!

さてメニューには、からあげ4個に小鉢とドリンク(600円以内)も付いた「ちょい呑みセット」(1200円)なるものも存在します。からあげをメインにしたセットメニューがあるのは嬉しいですね。夜の荒木町に集まってくる粋な大人たちのお酒のアテとしても活躍しているようです。
白黒2色のからあげとはどんなものか。美味しいのかそうでないのか白黒つけてやろう! と荒木町に乗り込んだ筆者でしたが、箸で触れただけでもうグロッキー状態。口に運べば即KO、見事に返り討ちにあってしまいました。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。