本場ベトナムの味を再現した生麺のフォー

『ベト屋』は本郷三丁目駅から徒歩2分ほどのビルの1F、少し奥まった場所にあります。入店して入り口にあるタッチパネルでオーダーと会計を済ませる先払いスタイルです。
看板料理は「牛肉フォー」(980円)。フォーはいくつかバリエーションがあり、「やわらか牛肉フォー」(980円)や、「鶏肉フォー」(980円)などが選べます。また、ベトナムの国民食である米粉麺の「ブン」やベトナムのサンドイッチ「バインミー」、そのほか、生春巻き、揚げ春巻きなどの単品メニューもあります。

筆者は前出の東大生がイチオシしていた「牛肉フォー」(980円)とランチセットの「生春巻き&揚げ春巻き」(270円)をオーダーすることに。
会計を済ませて席に座ると、卓上には「フォーのガイド」という食べ方のトリセツが置いてありました。要約すると下の通りです。
1.まずはスープをレンゲで2~3回飲み、味を確認
2.レンゲにライムを搾って、一周回しながらたらし、酸味を調整
3.卓上にあるチリソース、ヌクマム、にんにくの調味料で辛さ・塩味を調整
4.パクチーを食べる直前に入れる
5.いただきます!
なるほど、自分好みのフォーに微調整していくわけですね。フムフムとガイドを読んでいる間に、お待ちかねのフォーが運ばれてきました。

まずはビジュアルを確認。見た目からして美味しそうです。スープに浮かんだたっぷりの青ネギ。牛肉もたくさん入っています。その下には平たいフォーの米麺が横たわっているのが見えます。
取説に従い、まずは、フォーのスープをレンゲですくってすすってみると…自然に目を見開いてしまうほど滋味深い味わい。ものすごく美味しいです。
公式サイトによれば、「牛豚鶏の骨をじっくり10~14時間煮込み、さらに野菜を加えて3時間煮込んだ」というこだわりのスープだそうですが、このスープがタダモノじゃないことは一口でわかりました。

さらにライムを搾ってパクチーを入れてみると、その旨味たっぷりのスープにさわやかな香りと酸味が広がって、ますます美味しい!
次に麺を食べてみると、ツルツルとなめらかな口当たり。とはいえ、ツルツルしすぎてもおらず、かすかなザラつきがあり、食べごたえと噛みごたえもあります。この麺にスープの旨味がよく絡んで、最高に旨いんです。この麺も、本場ベトナム同様に生麺を使用しているそうです。

さらにセットで頼んだ、生春巻きも最高でした。ライスペーパーが薄くてしっとり。中のエビ、野菜、ビーフンの包み方も美しく、しかもふわっと包まれているので、とっても食べやすい。これもまさに本場ベトナムで食べた美味しい「ゴイ・クオン(生春巻き)」です。

ちなみに、筆者は実はベトナムでは生春巻きよりも、実は揚げ春巻きのほうを好んでよく食べていたのですが、ベト屋のそれも、皮が薄くてカリッと香ばしく、小さいながらもひき肉の旨味が広がる本格的な揚げ春巻きでした。
というわけで、想像をはるかに超える美味しさで、かなり驚きました。聞けば、日本在住のベトナム人の方が、本場同様の伝統的な製法で作っているそうで、確かにものすごくハイレベルな味わいです。お店は本郷店と、築地店の2店舗あるので、ぜひ食べに行ってみてください。
(撮影・文◎土原亜子)