花巻市大迫は東北有数の人気ワイン産地
岩手県の北上山地、霊峰・早池峰山の見下ろす花巻市大迫(おおはさま)町は、古くからぶどう栽培が盛んな地域だ。清々しく豊かな水源と、弱アルカリ性の土壌、冷涼な気候が、良質なぶどうを育てている。昭和22年、当時の岩手県知事・國分謙吉氏の「大迫を日本のボルドーに」という言葉とともにぶどう栽培が奨励され、試行錯誤を繰り返し、生食用のほかにワイン醸造に適したぶどうの生産に成功。ワイン通の間では人気のワイン産地のひとつになっている。中でも株式会社エーデルワイン(第3セクター)で生産されるワインは、国内外のワインコンクールで高評価を受けているのだそうだ。
子どもからお年寄りまで楽しめる「おおはさまワイン祭り」
花巻市では毎年9月に「おおはさまワイン祭り」を開催しており、今年でなんと48回目という歴史あるイベントになっているらしい。ワイン好きの私としては、さすがにスルーできず、新幹線に飛び乗って現地に行ってみた。
新花巻駅から車で15分ほどの会場は、エーデルワイン本社のすぐそば。ワインの試飲、販売コーナーはもちろん、牡蠣、帆立、鮎、チーズ、焼肉などワインと相性のよい料理を存分に味わえる。かき氷やソフトクリーム、鶏の唐揚げなどの出店もあるので、子どもからお年寄りまで、幅広い世代が楽しめるイベントになっている。ワイン娘によるぶどう踏みの実演や、子どもぶどう踏み体験、ユネスコ無形文化遺産登録の「早池峰神楽」の上演など、見て触れて楽しむアトラクションもあり、一日いても飽きない。9月17日のみの開催だったが、大迫地区の住人およそ6,000人の倍である約12,000人(主催者公式発表)が訪れ、大盛況となった。