心を満たす話題の「ベストセラー小説」ランキング

心を満たす話題の「ベストセラー小説」ランキング
食楽web

 日が短くなり、涼やかな風が吹き抜ける秋の夜長。食欲の秋もいいですが、たまには読書の秋でリラックスしてみませんか?

 今回は、本やCD・DVD・ゲームソフトなどのリユース事業を展開する株式会社ブックサプライが、秋の読書週間に合わせて発表した「秋に読みたい小説ランキングTOP10」をご紹介。同社の販売データをもとに、多くの読者の心を動かした作品をランキング形式でお届けします(調査期間2025年9/1〜10/13)。

 食欲をそそるグルメ小説から、現代社会の生きづらさに光をあてる物語、深い余韻を残す人間ドラマ、背筋がぞくりとする心理サスペンスまで。ぜひチェックしてみてください。

5位『口福のレシピ』原田 ひ香

 江戸時代から続く老舗料理学校の跡取り娘・留希子と、昭和初期に生きたお手伝いさん・しずえ。時代も境遇も異なる二人の女性が、一皿の料理をめぐって繋がる物語。受け継がれるレシピの隠し味には、女性たちの喜びや葛藤、そして人生そのものが詰まっています。豚の生姜焼き、鯛の骨酒、ビビンバ、冷や汁…読むほどに心が満たされます。

■おすすめポイント
・お腹が鳴るほどの料理描写
・現代女性の共感ポイント多数
・日常を豊かにするヒント

4位『BUTTER』柚木麻子

 婚活連続殺人事件の容疑者・梶井真奈子と、週刊誌記者・町田里佳の面会から始まる心理サスペンス。バターや肉をめぐる食の描写が濃厚で、読んでいるとお腹がすくほど。梶井の言葉に揺さぶられ、美食をむさぼるうちに変貌していく里佳の姿は、私たちの奥底に眠る欲望をあぶり出します。食と欲望、女性の生き方を問う一冊。

■おすすめポイント
・美食をめぐる官能的な描写
・「シスターフッド」の歪んだ形
・現実の事件をモチーフにしたリアリティ

3位『流浪の月』凪良 ゆう

 2020年本屋大賞受賞作。誘拐事件の加害者とされた青年と、被害者とされた少女。二人が過ごした2か月と、その後15年を描く物語。恋愛でも友情でもない関係性の尊さに胸を打たれます。読むうちに、真実とは、幸せとは何か、深く考えさせられるはず。

■おすすめポイント
・ミステリー小説のような痛快な真実
・「普通」という善意の暴力
・繊細で美しい心理描写

2位『遠い山なみの光』カズオ・イシグロ

 ノーベル文学賞作家カズオ・イシグロのデビュー作。戦後間もない長崎の記憶をたどる主人公の回想は、やがて不穏な空気をまとい、読者を深いミステリーへと誘います。失われたものへの静かな哀しみと、記憶の曖昧さの中に潜む真実。心に深く残る一冊です。

■おすすめポイント
・「記憶」という名のミステリー
・心の傷と向き合う普遍的なテーマ
・ノーベル文学賞作家の原点

1位『コンビニ人間』村田 沙耶香

 第155回芥川賞受賞作。36歳未婚・古倉恵子は、18年間同じコンビニで働き続ける店員。コンビニのバイトとして完璧な「世界の歯車」になることで安らぎを得る恵子から、現代の「当たり前」を問われます。「普通」とは何か?誰もが一度は考えたことのある問いに、軽やかに答えをくれる作品です。

■おすすめポイント
・ユーモラスで軽快な語り口
・コンビニの描写がリアル
・共感と違和感の絶妙なバランス

●DATA
ブックサプライ
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