何がどう違う? ステーキの「Tボーン」と「Lボーン」の違いを肉のプロに聞いてみた!

何がどう違う? ステーキの「Tボーン」と「Lボーン」の違いを肉のプロに聞いてみた!
肉の旨みを十分感じることができる(左)「Tボーンステーキ」、(右)「Lボーンステーキ」 | 食楽web

 ステーキ肉としてよく耳にする「Tボーンステーキ」「Lボーンステーキ」といった部位。「T」「L」というものが骨の形を表していることはフワッと理解できますが、しかし、その具体的な解説をきちんとできる人は実はごく限られているのではないでしょうか?

 そこで今回は、肉の通販サイトの草分けであり、数多くの肉の部位を取り扱う「ミートガイ」の担当者に、その違いについて解説していただきました。また、同サイトで展開されているニュージーランド産のグラスフェッドビーフの中から「Tボーンステーキ」「Lボーンステーキ」双方を取り寄せ、試食しレビューします!

Tボーン、Lボーンの違いは「ヒレの量」にあった!

「Tボーンステーキ」、「Lボーンステーキ」の違いの図
「Tボーンステーキ」、「Lボーンステーキ」の違いの図

 冒頭で触れた通り、「Tボーンステーキ」、「Lボーンステーキ」の違いは「骨の形にある」と思っていた筆者ですが、現物や写真を見ると、はっきりと「T!」「L!」とした差別があまり感じられませんでした。むしろどちらも「TっちゃTにも見えるし、LっちゃLにも見えるし」といった具合で、肉そのものを見てはっきりと言い分けられる人はこれまた少ないのではないかと思いました。

「ミートガイ」担当者の方によれば、「Tボーンステーキ」、「Lボーンステーキ」の違いはこの骨の形だけで区別するのではなく、あくまでも「肉」の違いなのだそうです。

「Tボーンステーキとは、サーロインとヒレが同時に味わえる骨付きステーキのことを指します。個体差はあるものの、『Tボーンステーキ』のヒレの割合は約30%程度です。対する『Lボーンステーキ』とは骨付きのサーロインステーキで、ヒレは少しだけついている部位のことを指します。こちらも個体差はあるものの、おおむねヒレの割合は約10%程度になります」(ミートガイ・担当者)

 なるほど、「Tボーンステーキ」と「Lボーンステーキ」とでは、すなわちヒレの量に差があるというわけですね。「Tボーンステーキ」は、サーロインとヒレの両方を約3対1ほどの割合で味わうことができ、一方の「Lボーンステーキ」はヒレは全体の1割ほどなので、サーロインステーキをメインとしていただく部位ということになりそうです。

「Tボーンステーキ」(ニュージーランド産グラスフェッドビーフ)をいただく!

ニュージーランド産グラスフェッドビーフの「Tボーンステーキ」500g 4200円
ニュージーランド産グラスフェッドビーフの「Tボーンステーキ」500g 4200円

「ミートガイ」担当者の方のわかりやすい解説を受けて、筆者も「Tボーンステーキ」、「Lボーンステーキ」の味の差を確かめるべく、双方を取り寄せ実際にいただくことにしました。今回いただいたのは「ミートガイ」一押しのニュージーランド産グラスフェッドビーフというもの。

 自然環境の中で放牧され、牧草のみで飼育された牛でありノーストレスで健康な牛なのだそうです。この効果で肉質は赤みが多く、肉本来の味わい・香りを楽しめるということです。まずはこのグラスフェッドビーフのTボーンステーキから焼いていきます。

焼き上がった「Tボーンステーキ」
焼き上がった「Tボーンステーキ」

 写真の通り、焼き上がった「Tボーンステーキ」は、サーロインの部分とヒレの部分で、肉質がまるで違うことがわかります。まず、サーロインの部分は脂身に甘味があり、赤身の部分も肉本来の旨みを十分感じられるものでした。程よい弾力とくどくない味はグラスフェッド特有のものかもしれません。

 また、ヒレの部分は、肉の旨みが凝縮されている一方あっさりとした味わいで、繊細な味を楽しむことができました。

「Lボーンステーキ」(ニュージーランド産グラスフェッドビーフ)をいただく!

ニュージーランド産グラスフェッドビーフの「Lボーンステーキ」400g 3180円
ニュージーランド産グラスフェッドビーフの「Lボーンステーキ」400g 3180円

 続いて「Lボーンステーキ」を焼いていきます。前述の通り、ヒレの部分は少なめであり、サーロインの部分が大半のステーキです。

焼き上がった「Lボーンステーキ」
焼き上がった「Lボーンステーキ」

 写真の通り、骨の部分を境にしても、肉質には大きな変化がなく、大半がサーロインでヒレの部分が極めて少なめであることがわかります。

 実際にいただいてみると、個体差のせいかTボーンステーキのサーロインに比べ、脂身が比較的少なめで、あっさりとした味わいです。しかし、物足りないというわけではなく、その味は実に奥深いもの。噛めば噛むほどに口の中に旨みが広がっていく感じでした。筆者はレア気味に焼きましたが、より肉のポテンシャルを感じられたように思いました。

「ミートガイ」オススメのカットと、食べ終わった「骨」の活用術

Tボーン、Lボーンとも骨に対し直角に切り身を入れる図
Tボーン、Lボーンとも骨に対し直角に切り身を入れる図

 かなり美味しいグラスフェッドビーフの「Tボーンステーキ」、「Lボーンステーキ」でしたが、「ミートガイ」のサイト上には、焼いた際、骨に対し直角に切り身を入れた写真が載っています。このようにして食べると、それぞれのピースでまんべんなく肉の旨みを感じられそうです。

 また、筆者は食べ終わった後の骨を綺麗に洗い、別途スープにしてみました。

食べ終わった骨をスープにする図(食楽web)
食べ終わった骨をスープにする図(食楽web)

 このスープは牛骨の出汁が出て、そのまま塩・胡椒だけでも美味しくいただけます。また、味付けをせず、例えば袋ラーメンのお湯変わりに使えば、よりコク深い味を楽しむこともできそうです。

特別な日にオススメの「Tボーンステーキ」、「Lボーンステーキ」

 最後に改めて「ミートガイ」担当者の方に聞きました。

「『Tボーンステーキ』、『Lボーンステーキ』とも一般向けの精肉店やスーパーなどでは入手しにくい部位です。しかし、『ミートガイ』であれば、こういった専門的な部位の肉をはじめ、数多くの美味しい肉を取り扱っています。自社工場で作ったオリジナルの生ソーセージ、加工品などもありますので、ぜひお好みの肉の部位と合わせてご注文いただければ幸いです。

『ミートガイ』で取り扱っているニュージーランド産のグラスフェッドビーフの『Tボーンステーキ』、『Lボーンステーキ』は、これまでにお話しさせていただいた通り、かなり美味しいものである一方、そのビジュアルもインパクト大。ぜひ友人やご家族とのホームパーティーやバーベキュー、また特別な記念日の料理などにも使っていただきたいと思っています。

 これからも『ミートガイ』では、食の楽しさを広げられるよう、健康や安全面にもこだわった商品をご提供し続けていきたいと思っています。ぜひご利用いただければ幸いです」(ミートガイ・担当者)

一般向けの店では買えないこだわりの肉を多く扱う「ミートガイ」
一般向けの店では買えないこだわりの肉を多く扱う「ミートガイ」

「Tボーンステーキ」、「Lボーンステーキ」の違い・味を知ることができました。入手しにくいこともあり一般消費者はそう簡単に食べられないステーキですが、「ミートガイ」では気軽にオーダーすることができます。ぜひあなたの舌でも味の違いを、試してみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎松田義人)

●DATA

ミートガイ

https://www.themeatguy.jp/ja/