素朴で懐かしさを感じる「川通り餅」

昭和21年商業の老舗の和菓子店「亀屋」の「川通り餅」は、広島ならではの和菓子です。同店の和菓子は広島県内やアンテナショップでのみ販売しており、ほかの地域ではなかなかお目にかかれません。

「川通り餅」の由来は、南北朝時代に遡ります。毛利元就の祖先が石見の国の佐波善四郎との戦いで川を渡ろうとしたとき、水面に小石が浮かび上がり、鐙(あぶみ)に引っかかりました。そのまま戦うと大勝利を収め、これは神の助けに違いないと信じ、小石を持ち帰り宮崎八幡宮に奉納したそうです。以降、餅を小石に見立てて食べる風習が生まれ、この餅を「川通り餅」と呼ぶようになりました。

亀屋の川通り餅は、くるみを加えた求肥にきなこをまぶしています。もちもちでほんのり甘い求肥とカリカリしたくるみの組み合わせは落ち着くおいしさがあるんです。ひと口サイズなので、一度に何本も食べたくなるはず。
広島県民も大好きな「からす麦クッキー」

1974年創業の洋菓子店「バッケンモーツアルト」の「からす麦クッキー」は、その名の通り「からす麦」を使ったクッキーです。からす麦はビタミンやミネラルが豊富な穀物なので、なんだか健康食のような雰囲気を感じますが、広島県民 にとっては昔からよく知るおやつのひとつだそうです。

自社で直輸入したアーモンドは使うタイミングで粉砕するというこだわりも。砂糖には和三盆などを使用し、シンプルで食べ飽きないようこだわって作られています。一見、どこにでもあるクッキーなのですが、実際に食べてみてびっくり!

想像以上にサクサクした食感で、甘さはかなり控えめ。そこにアーモンドの香ばしさが加わることで、クッキーとして絶妙なバランスを保っています。コーヒーや紅茶と合わせるだけでなく、砕いて牛乳やヨーグルトなどに合わせるのもアリ。間違いなく誰からも喜ばれるお菓子ですよ。
「またきて四角」はレモンたっぷりで爽やかなケーキ

お土産といえば個性的なネーミングのものが目を引きますが、西洋菓子 無花果の「またきて四角」もユニークな名前のパウンドケーキです。広島のレモンを使ったお菓子のなかでも「レモンケーキ」は人気の洋菓子ですが、この「またきて四角」もレモンケーキとなっています。

このレモンケーキは、農薬や化学肥料を通常の半量に抑えて栽培された瀬戸田の「エコレモン」を使用しています。レモンシロップ入りの生地を専用の型で焼き、表面をレモンシロップでコーティング。まさにレモン生産量日本一の広島ならではのお菓子です。

実際に食べてみると、かなりレモンの酸味を感じるパウンドケーキに仕上がっています。見た目は甘そうなのですが、しっかり酸味を感じるのであと味はすっきりしています。