兵庫は酒造りも盛ん! 『小鼓 西山酒造場』で清酒「小鼓」の飲み比べを体験

5つの地域からなる兵庫県は、エリアごとに特色のある日本酒造りが盛んに行われています。丹波は美しい山々と澄んだ川に囲まれた日本酒づくりに適した地域であり、日本三代杜氏の一つ「丹波杜氏」の発祥の地でもあります。
今回訪れた『西山酒造場』は1849年創業の老舗酒造。その酒造りは日本酒だけに留まらず、リキュールや焼酎、ノンアルコール製品や甘酒ヨーグルトに至るまで、若い人にも親しめる一品も多く揃います。

こちらではお酒の購入だけでなく、歴史ある酒蔵の見学や、利き酒教室なども積極的に行っています(要予約)。直売所は酒樽などを再利用した棚やカウンターなどをしつらえ、俳人・高浜虚子直筆の句も飾られるなど、風情あふれる空間となっています。

今回は代表的な清酒「小鼓」の飲み比べを体験してきました。この「小鼓」は俳句に精通していた三代目、四代目が高浜虚子と出会い、「小鼓」と命名してもらったのだとか。
試飲したのは純米大吟醸「路上有花(ろじょうありはな)」の「葵」、「黒牡丹」、「桃花」。全体にとても飲みやすく、スッと喉越しのいい味わい。食中酒にとても適していると感じました。
「葵」は小鼓を代表するお酒で、モンドセレクション最高金賞など数々の受賞歴があります。酒米に山田錦を用い、あっさりとしていながらコク深い。希少な酒米・但馬強力で造った「黒牡丹」は澄んだ味わいの中に甘味と辛さ、酸味も感じられ、酒好きが選ぶ一杯でした。兵庫北錦で造られた「桃花」も数々の受賞歴があり、バナナやヨーグルトの風味を感じるような、ふくよかな味わいに仕上がっています。

ボトルのデザインも斬新で、お土産にも重宝しますよ。酒蔵の素晴らしさ、酒造りの歴史を感じられる『小鼓 西山酒造場』。現在、使われていない酒蔵などの改装を行っており、来年には複合的な施設として生まれ変わるそう。歴史と共に進化する酒造、これからも楽しみな存在です。
日本遺産・六古窯の一つ「丹波焼」の里を巡る

丹波篠山市は風土を生かした食の産地。その食と共に焼きものの産地としても栄えてきました。「丹波焼(丹波立杭焼)」は日本六古窯の一つとして古い歴史を持ちます。

四斗谷川沿いには60軒の窯元があり、県有形民俗文化財である長さ約47mの「登り窯」も現存。歴史あふれる路地を行きながら、様々な窯元を巡る楽しみがあります。

丹波焼の陶器は、茶褐色の土肌と素朴な風合いで、自然の息吹を感じるような温かさがあります。その器たちは日々の暮らしにしっくりとなじみ、愛着の湧くものばかり。
伝統工芸公園「立杭 陶の郷」では様々な陶芸家の作品を一堂に見ることができるので、迷うならまずはこちらへ。丹波焼の里にはごはん処や日帰り温泉もあるので、レンタサイクルを借りて1日ゆったりと満喫するのも楽しいですよ。
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●兵庫テロワール旅は心に残る豊な体験を与えてくれる
他の地域では体験できない、兵庫の魅力を存分に感じた「丹波」のテロワール旅。日々の喧騒を忘れさせてくれるゆったりとした時間に包まれて、産地の魅力を感じ取ってみてはいかがでしょうか。