【徹底検証】しらす×バナナ、プリン×納豆…AIが導き出した食材の「美味しい組み合わせ」は本当なのか?

AIの組み合わせは本当に「ハズレなし」だったのか?

AIは他にも多数の組み合わせをはじき出しています
AIは他にも多数の組み合わせをはじき出しています

 これまでの「バナナしらす」、「納豆プリン」、「梅ミルクシェイク」は、いずれもけっこう普通に美味しいことが判明し、AIの推す最強の食べ合わせにすっかり信頼を置きかけていたのですが、ここで思わぬ落とし穴が待っていました。それは、ロースハム×バウムクーヘンの組み合わせ。

第4打席:「ロースハム×バウムクーヘン」は死球

ロースハム×バウムクーヘン。これまでで最も抵抗が少ない組み合わせだが、味は微妙
ロースハム×バウムクーヘン。これまでで最も抵抗が少ない組み合わせだが、味は微妙

 生ハム×メロンの例をまたず、ハムとフルーツの意外な相性の良さはご存知の通り。これは、ハムの塩味を果物の甘味が和らげ、なおかつ相乗効果で旨味がアップするからだそうです。ならば「ハムとバウムクーヘン」も同じ効果があるんだろうと安心し、ハムでバウムクーヘンをサッと巻いて食べてみたところ…。

ハム1枚でバウムクーヘンを巻いただけ
ハム1枚でバウムクーヘンを巻いただけ

 結果から言えば、これはかなり苦手な味でした。口の中で何度も咀嚼しても、ハムとバウムクーヘンの味が調和しない。次第に、ハムもバウムもマズいと感じ始めてきて、無理やり飲み込みましたが、これは2度と食べたくありません。三振どころかデッドボールを食らった気分です。

 考えるに、バウムクーヘンは果物と違って水分がほぼなく、なおかつ自然な甘味ではありません。これまでの納豆や梅干しなどとは違い、バターや小麦粉も入って作りが複雑な分、ハムと調和しにくいんだろうな、という印象です。もう少し高級なハムやバウムを使ったら美味しかったのかもしれませんが、そういうのはルールとしてどうかと思うので、ここは潔く「マズいぞAI、ふざけんな」と言っておきたいと思います。

 ここで少し気づいたのは、組み合わせの良し悪しは、5つの味だけでなく、水分量や食感も影響してくるということ。気を取り直して、次の「冷やし中華×マーマレード」に挑戦です。

第5打席:冷やし中華のマーマレードがけはウマい!

冷やし中華にマーマレードをトッピングしていただきます
冷やし中華にマーマレードをトッピングしていただきます

 暑くなってきて、冷やし中華をコンビニで買う機会が増えました。この冷やし中華を美味しく食べるのに、AIが導き出した答えは、意外にもマーマレード。マーマレードといえば、パンやケーキはもちろん、スペアリブや鶏・豚肉のソテー、はたまたサラダのドレッシングなど、料理の調味料としても活用できます。そんなイメージもあったので、これはきっと合うに違いないと確信めいたものがありました。

 というわけでさっそく、オレンジのマーマレードを冷やし中華のタレに溶かし、これを麺に回しかけて食べてみました。

冷やし中華のタレにマーマレードはめちゃくちゃ合うことが判明
冷やし中華のタレにマーマレードはめちゃくちゃ合うことが判明

 想像通り、冷やし中華の甘酸っぱいタレにオレンジマーマレードはピッタリです。フルーティな甘味、酸味、オレンジピールの苦味が加わって、いつもの冷やし中華がランクアップしたかのようで、思わず“追いマーマレード”してしまいました。これは打った瞬間にわかるバックスクリーン直撃の特大ホームランと言っていいでしょう。

第6打席:卵×アーモンドチョコの組み合わせは?

最後に検証するのは卵とアーモンドチョコの組み合わせ
最後に検証するのは卵とアーモンドチョコの組み合わせ

 最後は、卵とアーモンドチョコ。どうやって食べるの? と少し迷いましたが、厚焼き卵を作る途中に、アーモンドチョコを砕いて入れてみることにしました。

卵焼き器で卵液を流し込んだらアーモンドチョコを入れて巻き込みます
卵焼き器で卵液を流し込んだらアーモンドチョコを入れて巻き込みます

 で、アーモンドチョコ入りの厚焼き卵が出来上がりました。卵の香りと甘~い匂いが漂います。何となく、原宿の竹下通りを思い出しましたが、食べてみて、その理由がわかりました。

 卵焼きの中でチョコレートが溶けて、時折アーモンドがカリカリッと食感にアクセントを出してくれるこの感じは、まさしくクレープです。合わないはずがなく、まさに美味しいスイーツの味わい。生クリームが欲しいくらいです。これは走者一掃のツーベースヒットといった感じでしょうか。

アーモンドチョコ入りの厚焼き卵
アーモンドチョコ入りの厚焼き卵

 というわけで、AIが導き出した最強の食べ合わせ、6種類を試してみました。感想としては、意外な組み合わせではあるものの、おおむね美味しいことが判明。決め手は、甘み・旨み×塩味・酸味のバランスです。

 ただし、「ロースハム×バウムクーヘン」の失敗でよくわかったのは、2つの食材のどちらかの水分がないと厳しいということ。食材の持つ水分と、それが生み出すとろみや粘りといった食感が、2つの食材の味を口の中で調和させてくれるからです。

 というわけで、今回の検証をヒントに、AIに頼らず今後は自分でも既成概念にとらわれることなく、“意外な組み合わせ”をどんどん考えてみようと思った次第です。

(撮影・文◎土原亜子)