カレーととんかつが別皿の贅沢さ

私が『とんかつ檍』でいつも注文するのは「上ロースかつ定食」。これと同様のタイプを食すべく、「上ロースかつカレー」(200g)をオーダーしました。ここでは、注文が入ってから、1つ1つ丁寧に衣をつけて揚げていきます。10分弱ほどして、カレーライスととんかつが別皿で登場しました。

普段、私が常連になっている店では、カツカレーを注文する際、必ずカツの上にカレーはかけないでくださいとお願いしています。理由は、とんかつはとんかつだけで味わいたいし、カレーはあくまでもトンカツのソースとして後から味わいたいからです。でも『いっぺこっぺ』は、そんなわがままを言う必要もなく、最初から別。もう幸せの極みです。

手のひらよりも大きい上ロースかつと、シャキシャキのキャベツ。まずはとんかつを塩だけで味わいますが、『檍』同様、ここでも塩を3種類揃えているので、それぞれの違いを試すことができます。「ピンクロックソルト」は、まろやかで優しい塩味、「ヒマラヤ岩塩ナマック」は、硫黄のような強い香りがするパンチ系、「テキサス岩塩」は薫香がするゴージャス系。

期待通り『檍』の上ロースかつは、油キレのいいサクサクの衣が芸術のようについており、脂と赤身のバランスがよいお肉の断面はほんのりピンク色。もちろん柔らかくて、口のなかで脂が広がると、やっぱり最高でした。

続いてカレーに浸してとんかつを食べます。そのカレーはとんかつを引き立てるかのごとく旨みがあって、辛すぎず甘すぎず、極上のソースのように深い味。しかも豚肉も入ってるんです。う~ん、さすが豚肉を知り尽くした店が作るカレーです。頭が下がる思いで、キレイに平らげました。
気に入ると、再訪するのが私の性分。翌週には、一番お得な「ロースかつカレー」を食べにいきました。こちらはワンプレートですが、ちゃ~んと、とんかつはキャベツとご飯の山の上に載っていて、私好み。

食べてみると、とんかつもキャベツもツヤツヤのごはんもカレーも、それぞれ美味しいうえ、バランスも最高です。この値段でこの美味しさなら、毎週食べに行きたいと思ってしまいました。やっぱり東京一のとんかつ屋が作るカツカレーは東京一と言ってよいのかもしれません。
『いっぺこっぺ』飯田橋店は、まだ穴場。急いで行ってみて下さい。そのうち、行列必至になること間違いありませんよ。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO

店名:いっぺこっぺ飯田橋店
住:東京都千代田区飯田橋1丁目7-11
営:11:00~15:00、17:00~21:00
休:日
●プロフィール
荒川治
東京都内在住のタクシー運転手。B級グルメ好きが高じて、現職に就き、お客さんを乗車させつつ、美味い店探しで車を回している。中年になってメタボ率300%だが、「死神に肩をたたかれても、美味いものを喰らって笑顔で死んでやる」が信条。写真検索で美味しそうなモノを選び、食べに行って気に入ればとことん通い倒す。でもじつは、自分で料理を作ることも好きで、かなりの腕と評判。