肩コリに肩たたき、硬い肉に肉たたき!【ザ・キッチン道具マスター01】

肉たたきミートハンマー
食楽web

かしこい道具さえあれば、腕はなくともおのずと料理のレベルはアップする。道具で楽しむ・道具でラクする料理エディター、Amiyumiの“道楽料理”。

肉を美味しくしているのは、実は「肉たたき」だという説

 いくら煮てもカレーの肉が柔らかくならない、気づいたら野菜がみんな溶けちゃった、なんて経験ないだろうか。友だちを呼んでおうちで焼肉。だけど肉が硬い!と大不評。凍りついた場を、宅配ピザでつくろった、なんて経験ないだろうか。自分にご褒美とフンパツしたステーキ肉。でも焼いたらカチカチ。噛み疲れて飲み込んだら、ノドに詰まって窒息寸前! なんて経験ないだろうか!?

 こうなってくるともう楽しい食事どころじゃない、修羅場である。こんな肉を売ったスーパーにクレームつけてやる! とイキマク前にちょっと思い返して欲しい。あなたは肉の下処理をちゃんとしましたか?

 肉は、大きく、筋繊維と脂肪で成りたっている。筋繊維は加熱すると凝固や収縮をするので、赤身肉などの筋繊維が太くしっかりしている肉ほど、加熱すると硬くなりがち。だから、肉を柔らかくするための下処理は不可欠だ。例えば、お箸で切れるとんかつを看板にしているお店でも、もちろん丁寧な下処理を施しているから肉が柔らかいのだ。

 さて、そこで登場するのがこの「肉たたき」。「ミートハンマー」とも呼ばれている。これで丹念に肉をたたくことで、筋繊維を壊すのである。キホンは、肉片の中心から外側に向かって肉を拡げるようなイメージでトントンとたたくこと。ちなみにあまり強くたたき過ぎると、肉本来の弾力が失われるので、手加減は大切である。ではさっそく、その効果を次ページからの画像から感じとってもらおう。肉たたき効果が活かされる肉料理の代表格「ミラノ風カツレツ」を作ってみる。

牛肉や豚肉のステーキなら、ギザギザした凹凸なもの。鶏肉には、面が平らなものを使う

「肉たたき」のヘッドの形はいろいろだが、牛肉や豚肉のステーキなら、ギザギザした凹凸があるものを使う。肉を平たく均等にのばしたいときや鶏肉には、面が平らなものを使うとよい。