ツアーのスタートは、伝統の味巡り。野沢菜漬けの『やまへい』で工場見学

最初に訪れたのは、1963年創業の老舗漬物工場『やまへい』。信州の冬の食卓に欠かせない野沢菜漬けを手がけ、これまで農林水産大臣賞など数々の受賞歴を誇る会社です。

この日は「匠」「熟成」「本醸造」の3種類を食べ比べ。熟成は創業当時から続く伝統の味、匠は社長が家族のために考案したフレッシュな仕上がり、本醸造は特注醤油を用いた深みのある味わいと、それぞれを比べながら味わいました。使用している塩分量は3種類ほぼ同じということですが、塩味や後味の感じ方が異なり、製法の違いが如実に現れていました。

まるでフランスのワイナリーのよう。千曲川ワインバレーを代表する『Rue de Vin』へ

続いて訪れたのは、東御市にある「Rue de Vin(リュー ド ヴァン)」。フランス語でワイン通りを意味する名の通り、この土地をワインの産地として発展させたいという思いから誕生しました。

標高740〜850mの冷涼な気候は欧州系ブドウの栽培に適し、かつてリンゴ畑だった土地を開墾して2006年に栽培を開始。現在は千曲川ワインバレーの象徴的存在として知られます。

試飲した白ワインは爽やかな酸と果実味が心地よく、赤はボルドーを思わせる重厚感。ブドウ畑の景観とともに味わう一杯は、まるでフランスのワイナリーを訪れているかのような体験。目で見て、聞き、そして味わう。まさに発酵リトリート旅の醍醐味ともいえる体験でした。
日本チーズの先駆け『アトリエ・ド・フロマージュ』

最後に訪れたのは、1982年創業の『アトリエ・ド・フロマージュ』。日本で初めてフレッシュチーズを製造した草分け的存在で、今では4名のスタッフで約15種類のチーズを手がけています。

世界最高峰のチーズコンテスト「モンディアル・デュ・フロマージュ」にて、塩川さんが作ったブルーチーズが最高賞を受賞したことを皮切りに、国内外で様々な賞を受賞。日本のチーズ文化を世界に押し上げてきた人物です。

実際の製造現場を見学した後、試食や買い物タイムへ。ショップは地方配送が可能ですので、冷凍商品も気兼ねなく買うことができます。