山形で食べたい最高のだんご! 豆腐屋が手がける無添加×地域食材にこだわる『最上川千本だんご』の魅力とは

山形で食べたい最高のだんご! 豆腐屋が手がける無添加×地域食材にこだわる『最上川千本だんご』の魅力とは
手前/大石田産を中心に、山形県産の枝豆を100%使った「ずんだんだんご」。奥/「くるみだんご」共に240円。くるみは拾う人、剥く人らの手仕事に支えられた逸品

●山形の名店『最上川千本だんご』がおいしい理由を深堀りしてご紹介!

 山形を旅するときは、蕎麦を堪能したあとに、大好きな『最上川千本だんご』に立ち寄るのが筆者の習慣です。第一に体に安全で、美味で素朴なお団子が味わえるからです。

お店の手前は店舗と囲炉裏スペース、奥には蔵座敷で団子(セルフサービスのお茶あり)を味わえます。週末は混雑、早めの来店がおすすめ!
お店の手前は店舗と囲炉裏スペース、奥には蔵座敷で団子(セルフサービスのお茶あり)を味わえます。週末は混雑、早めの来店がおすすめ!

 この『最上川千本だんご』は、山形県大石田町にある1938年創業の『横丁とうふ店』が手がける名物だんご店。

3年前に団子を作り続けたお母様が他界され、共に歩んできた五十嵐社長夫妻が引き継ぎ息子さんと共にこだわりつづける日々
3年前に団子を作り続けたお母様が他界され、共に歩んできた五十嵐社長夫妻が引き継ぎ息子さんと共にこだわりつづける日々

 もともとは、とうふ製造の副業として、現店主のお母様が、蒸気ボイラーを活用して季節限定で団子を製造・販売したのが始まり。以来、“豆腐屋が作る団子”として親しまれ、店内にはイートインスペースも完備しています。

奥にある蔵座敷。大石田地域では団子はご飯の代わり。小さい子ども連れでも、家族でのんびりすごせます
奥にある蔵座敷。大石田地域では団子はご飯の代わり。小さい子ども連れでも、家族でのんびりすごせます

 こちらの団子の特長は、大石田町産の特選米「はえぬき」を使用し、その日の気温や湿度を見極めながら、昔ながらの製法で丁寧につくられていること。

 砂糖や酵素などの添加物を一切使わず、素材本来の風味と食感を最大限に引き出しています。そのため、時間とともに団子は自然に固くなっていきますが、これこそが“本物のだんご”である証。

季節によって味が変わります。変わらないのは、地域の材料、安全でおいしいもの、嘘をつかないこと。五十嵐社長のお言葉!
季節によって味が変わります。変わらないのは、地域の材料、安全でおいしいもの、嘘をつかないこと。五十嵐社長のお言葉!

 店内では、蒸気が立ちのぼる厨房で職人が米をつき、出来上がっただんごに、注文に応じてその場で餡をまぶして提供してくれます。

「しょうゆだんご」150円。だんごは山形県産特選米「はえぬき」、しょうゆ餡は山形テンスイ醤油謹製の丸大豆醤油、吉野葛を使った手づくりの逸品
「しょうゆだんご」150円。だんごは山形県産特選米「はえぬき」、しょうゆ餡は山形テンスイ醤油謹製の丸大豆醤油、吉野葛を使った手づくりの逸品

 この日は、しょうゆ、ごま、あんこ、くるみ、ナッツ、ずんだの定番の味に加えて、ティラミス、マスカルポーネ、玄抹茶、焼あん(ずんだ)バター、餡なしのしろ串などが並んでいました。いつ伺っても新たな味に出会える楽しみがあります。 

 セルフサービスで提供されているお茶もよいお味。蔵座敷もあるので、座敷に座りのんびりお茶と団子をいただくもよし、土産に買って帰るもよし。通信販売は行っていないので、ここでしか味わえません。

まとめ

大石田地域では地元の大豆から豆腐を作り、豆腐屋が花見団子等だんごをつくってきた歴史があります。「豆腐屋が作る団子」は大石田の文化です
大石田地域では地元の大豆から豆腐を作り、豆腐屋が花見団子等だんごをつくってきた歴史があります。「豆腐屋が作る団子」は大石田の文化です

 囲炉裏座でお茶と団子をいただいたら、店内に並ぶ山形県産秘伝大豆100%、大島の海精本にがり、消泡剤不使用の「秘伝大豆とうふ」を団子と一緒にぜひお土産にされることをオススメします。ちなみに豆乳もオススメですよ。

●SHOP INFO
最上川千本だんご

住:山形県北村山郡大石田町大字大石田乙76
TEL:0237-35-2312
営:9:00~16:30(正月・研修時除く)
休:年中無休

●著者プロフィール

桔梗美紀
食文化案内人。地方創生食文化大使 フードアナリスト。地域の食と人のつながりを応援。五感と記憶をたよりに発信中。