ビブグルマンの和食店『料理 シフク JIYUGAOKA』でおいしい料理とお酒の楽しみ方【酒屋と飲食店のおいしい関係7】

『シフク』は和食と日本酒の魅力を堪能できる大人の和食店

刺身盛り合わせ
刺身盛り合わせ

 料理は、その時の仕入れや季節の移ろいごとに、お刺身、焼き物、煮物などが変化します。アラカルトもあるものの、深瀬さんいわく「コースで味わうからこそ出会える新しい発見があるんです」とのこと。

昆布おろしポン酢とスマカツオの相性が素晴らしい逸品。この日、鰹が入らなかったそうで深瀬さんは鰹を出せずに悔しがっていました
昆布おろしポン酢とスマカツオの相性が素晴らしい逸品。この日、鰹が入らなかったそうで深瀬さんは鰹を出せずに悔しがっていました

 特に人気なのが鰹を使った料理。鰹が苦手だったお客様が「これなら食べられる」と驚くほどの仕上がりです。

 香ばしい“藁炙り”で仕事をされた鰹に、ダシをひいた後の昆布を炊き上げて作る「昆布おろしポン酢」を合わせるというひと皿は絶品。鰹の風味をまろやかに、旨みがギュッと引き立ちます。

酢飯の上にウニを載せた贅沢な一品。「まずは腹ごなしに」と深瀬さん。ビブグルマン掲載時に取り上げられたのは「鯖の棒寿司」。酢飯は常に用意してあるそうです
酢飯の上にウニを載せた贅沢な一品。「まずは腹ごなしに」と深瀬さん。ビブグルマン掲載時に取り上げられたのは「鯖の棒寿司」。酢飯は常に用意してあるそうです
こちらには「墨廼江 特別純米酒」を常温(ひや)で合わせます
こちらには「墨廼江 特別純米酒」を常温(ひや)で合わせます

佐藤さん:「墨廼江 特別純米酒」は漁港の町の酒らしく、魚介類、特に脂ののった鰹、マグロなどと合わせるにはぴったり。程良い酸もあり、脂を切ったり口内を引き締めてくれます。冷え気味の温度帯ですとサッパリとした印象でお刺身に良く合います。それにこの良い苦味。盛り合わせの白身、赤身、いろんな味わいを中和してくれます。

器へのこだわりがさらに高める“和”の情緒

店内にあるのは、こだわりの器
店内にあるのは、こだわりの器

佐藤さん:それにしても…この器の数々はもともとのご趣味ですか? 店内にところどころ骨董品もありますが。

 料理を楽しむうえで欠かせないのが、盛り付けであり器の存在。深瀬さんはお店を始めてから骨董市に足繁く通い、お気に入りに出合った瞬間に「こんな料理を盛ってみたい」と想像を巡らせながら集めていったそうです。

器だけでなく、戊辰戦争のころの骨董品もある店内。真ん中の物は、蓋で閉じることができ、秘密のモノを隠す為の物だそうです。「うちはショップカードを入れてますけど」と笑う女将
器だけでなく、戊辰戦争のころの骨董品もある店内。真ん中の物は、蓋で閉じることができ、秘密のモノを隠す為の物だそうです。「うちはショップカードを入れてますけど」と笑う女将

 明治や大正時代の火薬箱や、骨董の輪島塗りなどをさりげなく取り入れ、どこか懐かしさを感じさせるインテリアたち。そうした空間づくりも、『シフク』ならではの魅力です。

日本酒とのペアリングで真価を発揮する一皿

コース料理より「八寸」
コース料理より「八寸」

 春先には、はしりの筍を吸い物で、盛夏には旬の魚介や夏野菜、秋には戻りガツオやほくほくのキノコ、冬には滋味深い根菜や河豚料理など、季節の表情が一皿ごとに表現されます。

「八寸」には「墨廼江 特別純米酒」の熱燗を合わせます
「八寸」には「墨廼江 特別純米酒」の熱燗を合わせます

 日本酒は香り高いものから食中酒向きのものまで幅広く扱いながらも、深瀬さん自身は「料理に寄り添ってくれる酒」、食中酒向のお酒が好みとのこと。

 特に「墨廼江(すみのえ)」は、震災後に蔵見学に行き、復興に向けて頑張る蔵元の姿に感銘を受けたそうです。

昌恵さん:お酒、50℃でお出ししますね。

佐藤さん:苦味やシャープな印象が消え、甘みが立ち柔らかくなりました。温かい料理と温度が合いますし、天婦羅の油も流してくれる。からすみの塩味もまろやかにしてくれます。楽しいですね、あれもこれも合わせると(笑)。これから春の苦味のある食材とも合うでしょうね。

深瀬さん:秋の戻りガツオなんかはほぼ気仙沼産になるんですが、やっぱり宮城のお酒との相性は格別です。

 食材と酒の「同郷ペアリング」は、旬をより濃厚に味わえる絶妙なおいしさを生み出します。

佐藤さん:現蔵元の澤口康紀さんが平成元年に蔵に戻られて、杜氏になってからは酵母を地元の「宮城酵母」だけにしたそうです。その上で酒米は県内外のものを使うというスタイルを確立しました。やはり地域性を活かすという思いを感じます。「柔らかくエレガントな味わい」の酒造りをテーマにされていますが、澤口社長は前職がアパレルメーカーで働かれていたということから納得のテーマですね。清潔感があり、飾り過ぎずカジュアルにもなれる品格がある。まさに『シフク』さんの室礼(しつらい)、料理にピッタリ。冷酒~ひや~燗酒と表情も変わるので、深瀬さんが好まれるような食事に合わせた温度で寄り添ってくれるしなやかなお酒ですね。

“ご褒美”の先にある完璧な和食体験

自由が丘に移転してからも元住吉時代からの常連さんが変わらず足を運び、「大切な人とここで和食を楽しみたいんです」と顔を出してくれる姿に、深瀬夫妻も感謝を禁じ得ない様子
自由が丘に移転してからも元住吉時代からの常連さんが変わらず足を運び、「大切な人とここで和食を楽しみたいんです」と顔を出してくれる姿に、深瀬夫妻も感謝を禁じ得ない様子

“カジュアルに”“だけど特別”な時間を過ごせる和食店『シフク』。料理と日本酒の幸せな関係から、深瀬さんの骨董に対する真摯な思いまで、すべてが詰まった空間は、一度足を運べばきっと虜になるはずです。今はまだ元住吉からのお客様が多いが、これからこの土地でどんな方と出会えるのか楽しみだとお二人は言います。

 私服で訪れて、 “至福”を体感。

『シフク』は 日々のストレスからふと解放される心地よさと、くつろぎの和食を堪能する極上のひとときを約束してくれるお店でした。

まとめ

『地酒や たけくま酒店』と『料理 シフク JIYUGAOKA』のおいしい関係、いかがでしたでしょうか。引き続き、地域に根付いた酒屋と飲食店のおいしい関係を追いかけます。
次回はどんなお酒とどんな飲食店が登場するか?お楽しみに。

*みなさんの好きなお酒の銘柄を教えてください。好きなお酒の思い出、エピソードなどもあると思います。是非、『好きなお酒の銘柄』を下記のフォームにお寄せください。
●『好きなお酒の銘柄』書き込みフォーム
https://forms.gle/ayiCm2vadPRo9A4x9

無くなり次第終了!「墨廼江 特別純米酒」一杯サービス企画

『料理 シフク JIYUGAOKA』のご協力のもと、お店で「食楽webのinstagram」をフォロー、フォローしている画面を見せると「墨廼江 特別純米酒」(墨廼江酒造)一杯サービス!

 無くなり次第終了です!

●SHOP INFO
料理 シフク JIYUGAOKA
住:東京都目黒区自由が丘1-23-2 DEAR自由が丘2F
Tel:090-3220-5429
営:18:00〜、日・祝17:00〜
休:不定休
*要予約
https://www.instagram.com/shifuku01.wasyoku/

地酒や たけくま酒店
https://www.takekuma.co.jp
本店
https://www.instagram.com/takekuma_saketen/
住:神奈川県川崎市幸区紺屋町92
TEL:044-522-0022

元住吉店
住:神奈川県川崎市中原区木月3丁目10-17
TEL:044789-5561
https://www.instagram.com/motosumi_takekuma/

オンラインストア
https://takekuma.co.jp/store/

(企画・取材◎ヨネダ商店)