文豪も愛した荻窪の名店『鳥もと』での一人飲みがサバイバルすぎた【中央線1人飲み】

旧『鳥もと』に最も近い『鳥もと』2号店へ

『鳥もと』2号店
『鳥もと』2号店

 さて、今回一人飲みに伺ったのは旧『鳥もと』に最も近い『鳥もと』2号店。JR中央線の線路沿いにあります。旧『鳥もと』のやや敷居の高いイメージを廃した間口の広い店で、連日多くの客で賑わっています。さっそく入ってみましょう。

暖簾をくぐるとそこは飲んべえの天国
暖簾をくぐるとそこは飲んべえの天国

 旧『鳥もと』では立ち飲みを楽しめましたが、今の『鳥もと』は完全座り式。そして、旧『鳥もと』よりも間口が広く明るくなったことで、2〜4名ほどのグループ客が増えた印象です。その余波を受け、客の入り具合によっては、一人客は微妙な席に案内されてしまうことも。

案内された「一人飲み」用席。目の前は壁、左横には女性客(他人)の背中が……
案内された「一人飲み」用席。目の前は壁、左横には女性客(他人)の背中が……

 この日、筆者が案内されたのは「目の前が壁」の小さなテーブル席。すぐ真横には見知らぬ女性客の背中が密接しており、酔いも手伝ってか、ママ友の悪口が盛り上がるたびに、ドシン! とテーブルに当たってきて揺れます。

 でもまぁこれもご愛嬌。慣れ親しんだ『鳥もと』の味を、令和の今も楽しめることに感謝しようじゃありませんか。

慣れ親しんだカシラの味わいに感動!

今の『鳥もと』は明るい居酒屋的なお店になる一方、鮮度の良い魚を安価で提供する取り組みも。これはありがたい限り
今の『鳥もと』は明るい居酒屋的なお店になる一方、鮮度の良い魚を安価で提供する取り組みも。これはありがたい限り

 言い換えれば、今の『鳥もと』はかつての「焼鳥店」の様相から進化し、酒好きの親父だけでなく女性客も入りやすいメニュー多めの居酒屋的な店になっているわけです。まずはモロキュー(250円)、カシラ(130円)、焼酎ロック(麦・一番札・カットレモン入り・400円+20円)をオーダー。

まずサーブされたモロキュー(250円)と焼酎ロック(麦・一番札・カットレモン入り・400円+20円)
まずサーブされたモロキュー(250円)と焼酎ロック(麦・一番札・カットレモン入り・400円+20円)

 キュウリで体を冷やした後に喉を潤すレモン入りの焼酎ロック。うーん、なかなかスッキリいい感じです。

カシラ(130円)の味わいは、旧『鳥もと』そのもの。慣れ親しんだ味わいの再会に感激!
カシラ(130円)の味わいは、旧『鳥もと』そのもの。慣れ親しんだ味わいの再会に感激!

 そして、ほどなくして焼き上がってきたカシラの塩もまた、かつての『鳥もと』の味わいそのもの。プリッとした肉を噛み締めると、カシラならではの旨みが口いっぱいに広がり、テンションが上がりました。

女性客の背中に危険を感じて早々に退散

もう少し飲みたかったものの、隣の女性の背中に危険を感じ、早々に退散しました
もう少し飲みたかったものの、隣の女性の背中に危険を感じ、早々に退散しました

 ただし、さらに酔いが深まったのか、例の隣の女性の背中が筆者のテーブルにガタンガタンと当たることが多くなってきました。焼酎ロックを1杯だけおかわりしましたが、グラスを押さえていないとこぼれそう。サバイバルすぎる……。

 かつての旧『鳥もと』とは違い、今の『鳥もと』で一人飲みをする場合、今回のように時間帯によっては「壁を見つめながら、隣の人の背中にテーブルを揺らされる」という格好になることもあり、落ち着かない感じになる点は否めません。

 しかし、それでも歴史ある『鳥もと』の味わいと、大衆酒場の雰囲気は健在です。今度は一人飲みではなく友人たちとみんなで訪れたいと思いました。

(取材・文◎松田義人(deco))

●SHOP INFO
店名:鳥もと2号店
住:東京都杉並区上荻1-7-5
TEL: 03-3391-1541
営:月水木15:00〜23:00
金15:00〜翌12:00
土13:00〜翌12:00
日・祝12:00〜23:00
休:火曜