「この街で働く女性に栄養満点で健康的な家庭料理を食べてほしい」

暖簾をくぐれば、「いらっしゃいませ」と元気な声でお出迎え。店内は赤色の提灯や番傘で華やかな雰囲気を演出。この艶やかなデザインは、江戸の遊郭をイメージして作ったと言います。今回お邪魔した『銀座 花りん』は、並木通りにある本店とこちらコリドー店の2店舗を展開。この2店舗を取り仕切るのが、大女将の中村友香さんです。
銀座の小料理屋というと、女性ひとりでは敷居が高いのでは?
そんな質問を投げかけてみると、「銀座にお店を出したのは、この街で働く女性が多いから。仕事を頑張る女性に栄養満点でヘルシーな家庭料理を食べていただきたかったからなんです」と友香さん。それを聞いてホッと安心。今宵は女将の料理とお酒を心から楽しめそうです。

この店を始める前は、幼稚園の栄養士、その後は料理教室〝月華庵〟を主宰するなど、料理ひと筋で来た友香さん。
「食事の基本は家庭料理。花りんでは全国各地の美味しい家庭料理に、おもてなしの心を添えた料理をお出ししています」
管理栄養士の資格を持ち料理研究家でもある友香さん、現在も週末は料理スクールを開き、延べ300人以上の生徒さんが学んでいます。

提供する料理は全て手作り。開店は夕方5時からですが、仕込みは料理スクールの生徒さんやスタッフ、友香さんと交代交代に毎日朝10時から始めているのだとか。おばんざいというと京都のイメージがありますが、それにこだわることなく、旬の食材を全国から取り寄せて料理を創作。特に力を入れているのは、発酵調味料だと言います。

江戸時代からインスパイヤした発酵食品とは
「銀座 花りん」の料理の特徴は、健康的に優れた発酵食品を手づくりしていること。「内装もそうですが、料理も江戸時代から続く健康の源である発酵食品を使って調理しています。手づくり塩麹や、塩だけで乳酸発酵を促しています」と友香さん。旨味と栄養素を引き出して、料理はもちろん、ドリンクにも発酵レモンを使うんですって。
