日本酒をさらに美味しくする、ペアリングとは?

3つ目のステップは、「日本酒ペアリング」です。
「日本酒ペアリングとは、日本酒と料理の組み合わせにより、お互いの味わいを高めること。ペアリングは同調、相乗、マスキングに分かれます。
・同調→味わいが似たものを合わせると、馴染みの良い味わいに
・相乗→組み合わせにより、酒と料理それぞれがより一層美味しくなる
・マスキング→強い風味などを、組み合わせにより隠す(マスキング)、または和らげる
例えば、イカの塩辛に辛口の日本酒を合わせると塩味が和らぎます。これは、マスキングですね。組み合わせは無限にありますが、製造方法や味の強さが近いものは相性がいいです」
酒好きの筆者ですが、ここまで深く日本酒について考えたことがなく、フムフムと感心してばかり。そんな私に、「じゃあ、折角なので味わってみましょうか!」
そう言ってたなかさんは、オススメの日本酒とおつまみを持ってきてくれました。酒器も用意していただいたので、早速ペアリング体験、スタート!

まずは秋田清酒の「やまとしずく」を平杯でいただきます。
香りが良いですね。お酒らしい、米のふくよかな良い香りです。すきっとした口当たりで後味のよい、軽快ながら飲みごたえのある一本。
そこに合わせるのは、「干し柿」。ねっとりとした干し柿と、スキッとした味わいが良く合います。口の中でお互いの甘み、旨みが増長する、まさしく相乗効果。
干し柿で日本酒? と最初は驚きましたが、果物とお酒の甘みが口の中で膨らむ味わいは、ぜひ一度体験してもらいたいです。

奥田酒造の「ちよみどり」はお猪口でいただきます。辛口のキリリとした口当たで、爽やかな香りが飲みやすい一本。舌の表面で感じる発泡感、舌の側面で楽しむお酒の旨み、二重層的な味わいが魅力です。
ペアリングは、燻製したベーコン。口の中で広がる燻製風味をお酒が受け止め、広げ、心地よく喉を通る同調を楽しめます。

浅舞酒造の「天黒」は黒麹の酸味と合わさることで、飲みやすさと独特の風味を作っている珍しい日本酒。冷酒グラスでスッキリとした喉越しを楽しむのがベター。旨みと酸味のバランスがたまりません。
オススメされたペアリングは、ブリー(白カビ系チーズ)。なめらかでコク深いチーズがとても良く合います。口一杯に広がるチーズの風味を、爽やかな飲み口がすっきりと喉へ運ぶ喜びは、やみつきです。
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酒器や組み合わせで味わいが変わる、奥深い日本酒。今回大変勉強になりました!
最後にたなかさんから一言。
「1番大事なのは、自分自身の好みを見つけることですね。日本酒はとても表情豊かで、奥深い。正解はないので、ぜひご自分の舌に合う楽しみ方を発見してください」
(撮影・文◎平あきら)
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店:株式会社ワンダーマート内 Cafeteriaヒラジョー
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