
●滋賀県・湖北地方に伝わる名物料理「焼鯖(やきさば)そうめん」って知ってる? その魅力を探ってきた。
夏を代表する食べ物といえば、そうめん。キーンと冷たくサッパリした味わいですが、滋賀県湖北地方の長浜市にそうめんを使った「焼鯖そうめん」という少し変わった郷土料理が存在しています。
焼鯖とそうめん。どちらも馴染みのある料理ですが、一緒になっている一皿は馴染みがないですよね?
そこで、焼鯖そうめんの歴史的な背景と美味しいお店も一緒に紹介したいと思います。
内陸の滋賀でなぜ、鯖料理が名物になったのか
![鯖街道と関わりの深い長浜名物の「焼鯖そうめん」 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/07/20240715-sabasomen02.jpg)
焼鯖そうめんのある滋賀県は、日本一大きな湖の琵琶湖はありますが内陸県。海がないのに鯖の料理が名物というのも少し不思議な話ですね。実はかつて、今の福井県で獲れた海産物が当時の都であった京都まで大量に運ばれていました。その中でも特に重要だった食材が、鯖。
鯖寿司などの料理を通じて京都の貴族に愛された鯖を多く運んでいた道は、鯖街道と呼ばれていました。そんな鯖街道の中継地点ともなる滋賀県には、鯖料理として、「焼鯖そうめん」が残されています。

鯖とゆかりのある滋賀県では、農家に嫁いだ娘を気遣って、田植えの農繁期でも「手軽に滋養を付けられるように」と焼鯖を嫁ぎ先へ送った「五月見舞い」という風習が存在。その中で誕生したのが、焼鯖そうめんとなっています。