【宮ノ下】ティータイムに『カフェ・ド・モトナミ』の「宮ノ下小町」

箱根湯本から上ってやってきたのは、威風堂々とした「富士屋ホテル」で有名な宮ノ下。その向かいにある、大きな屋根と黄土色の外観が目を引く建物で営まれているのが『カフェ・ド・モトナミ』です。
実はこの建物、「富士屋ホテル」が大正時代に開業した乗合バス、「富士屋自働車」の宮ノ下待合所として昭和初期まで使われていたもの。骨董店や薬局などを経てリノベーションし、2002年からカフェとして営業しています。

お店でコトコト煮込んだ小豆を使ったデザートが人気の和カフェで、コーヒーを組み合わせて楽しむのがモトナミ流。小豆は北海道産のとよみ大納言にビート(甜菜)糖を加えて煮ることで、口の中で甘みがすーっと抜けて後味がさっぱりしているのが特色です。
季節を問わず人気ナンバーワンを誇るのが創作パフェ「宮ノ下小町」。フルーツとグラノーラ、小豆、ジェラートソフトに3色の白玉だんごが添えられていて、食感も楽しく食べ応えも十分。確かにコーヒーと一緒にいただくとおいしいですよ。
![むき出しの梁やアンティークが独特の雰囲気を醸し出す2階席 [食楽web]](https://cdn.asagei.com/syokuraku/uploads/2024/04/20240428-hakonetabi09.jpg)
階段を上がった2階は、待合所時代は「階上喫茶店」として使われていた空間。現在はハンモックや古いオルゴール、ご主人ゆかりのアーティストの作品などが飾られ、窓際の席からは「富士屋ホテル」を眺められます。
【宮ノ下】意外な組み合わせがクセになる『渡邊ベーカリー』の名物パン

宮ノ下のメインストリート、セピア通りのゆるやかな坂道の途中にある『渡邊ベーカリー』は、明治24(1891)年創業の老舗パン屋さん。
器に見立てたフランスパンの中にアツアツのビーフシチューを詰めた「温泉シチューパン」が有名ですが、意外な組み合わせがクセになる独創的なパンもそろっているのです。

それがこちら「丸ごとみかん」と「梅干あんぱん」。みかんも梅干も、お隣、小田原ならではの名産品ですね。

切って断面を見てみると、ご覧の通りみかんと梅干しが丸ごとパンの中に入っています。期間限定の「丸ごとみかん」は、ラム酒漬けにした小ぶりなみかんにカスタードクリームとメイプルシロップという、意外な組み合わせですが、ちょっと大人な味わいで日本茶によく合います。
「梅干あんぱん」は自家製の梅干しをこしあんで包んであり、食べてみると甘いと酸っぱいが交互に訪れ、それぞれの味を引き立てるような不思議なハーモニーを感じます。ブラックコーヒーがよく合いますよ。
●SHOP INFO
店名:渡邊ベーカリー
住:神奈川足柄下郡箱根町宮ノ下343-3
TEL:0460-82-2127
営:9:30~17:00
休:水曜、第1・3・5火曜(臨時休業あり)
https://watanabebakery.jp/
【宮ノ下】番外編:レトロ感がたまらない『川辺光栄堂』の「鉱泉煎餅」

編集部が訪れた日は残念ながら閉まっていましたが、営業していたらぜひ立ち寄ってほしいのが『川辺光栄堂』です。創業は明治12(1879)年、宮の下交差点の近くに佇む店舗はよくよく気を付けていないと通り過ぎてしまいそう。

売られているのは、小麦粉、白玉粉、卵、砂糖などに地元の鉱泉(湧き水)を混ぜて練り上げ、薄く丸く焼き上げた「鉱泉煎餅」のみ。かつて横浜に居留していた外国人の箱根土産として人気を集めた歴史があり、飽きの来ない素朴な味わいがどこか懐かしさを感じさせてくれます。営業していたらラッキー、ぜひ立ち寄ってみて下さい。
●SHOP INFO
店名:川邊光栄堂
住:神奈川足柄下郡箱根町宮ノ下184
TEL:0460-82-2015