各席には東海道五十三次にちなんだ地名が書かれている

筆者が案内された席に座ってよく見ると、各席に「四日市」「保土ヶ谷」といった地名が書かれていることがわかりました。どうも東海道五十三次にちなんで、各席に名前をつけているようで、最も厨房に近い席には「日本橋」と書かれています。

おそらくは、オーダーしたメニューがどの客のものか混乱しないためのシステムだと思いますが、筆者の席「保土ヶ谷」から「フルーツパフェ」「あんみつ」をオーダーしてみることにしました。
古き良きクラシカルな「フルーツパフェ」と「スペシャルクリームあんみつ」

オーダーしたチケットのメニューを厨房が受け取り、調理した合図として各席のランプが「ピコン」と点灯。ほどなくして、そのメニューがやってくるという仕組みです。無事に筆者の席「保土ヶ谷」に届いた「フルーツパフェ」と「スペシャルクリームあんみつ」は、まるで、我が子が遠方に出向き無事に帰ってきたかのような安心感を感じました。

そんな中で、「フルーツパフェ」「スペシャルクリームあんみつ」をいただいたわけですが、これがまた昭和クラシカルな、実に泣ける味わいでした。
「フルーツパフェ」は、上にメロン、キウイ、桃などのフルーツにあんこが乗っていて、イチゴとバニラアイス、ストロベリーソースが下までぎっしり詰まっています。昔ながらの王道パフェという印象で、昭和世代の筆者にとっては懐かしい味でした。

また、「スペシャルクリームあんみつ」も同じく、メロン、バナナ、桃などのフルーツがたくさん盛られたカラフルな見た目で、口当たりが軽く、意外と「甘味ダブル」でもペロッと食べることができました。
昭和時代の昔懐かしい味わいが、逆に贅沢にも感じるようになった今の時代ですが、この独自の「川を介してのオーダー」というシステムとも合わせて、なかなか貴重な喫茶店だと思いました。
その自由なシステムも昭和的で楽しい喫茶店

しかし、まだ終わりません。食べ終わった器を返すために、川に流れる空っぽのたる舟に食器と札を入れて返却しないといけないのです。この瞬間、今度は我が子が巣立っていくような、寂しい気持ちになる筆者でしたが、涙を飲んで「保土ヶ谷」の札と一緒に返しました。
まとめ
店内に流れる川を使ってオーダーやメニューの受け取りをする「回転すし」ならぬ「回転スイーツ」を実施する『どんぐり』。外観からは想像できない斬新システムに驚きつつも、テーマパークのような楽しさがあり新しい体験をすることができました。カップルや家族はもちろん、外国人などにも大ウケするであろう『どんぐり』。この店を目当てに沼津へ足を運んでみるのも良いと思いますよ!
(取材・文◎加賀ま波、松田義人)