5種類の食べ方ができる! やよい軒の「鶏まぶし定食」が最高に旨い

5通りの食べ方とは? 全通り食べてみた!

「鶏まぶし定食」890円。「鶏肉2倍」1290円も可能(ともに税込)。5通りの食べ方に備えて「お肉2倍」(1290円/税込)をオーダー
「鶏まぶし定食」890円。「鶏肉2倍」1290円も可能(ともに税込)。5通りの食べ方に備えて「お肉2倍」(1290円/税込)をオーダー

 食券を渡して待つこと6分ほどで定食が運ばれてきました。重箱のフタをパカッと開けると、ご飯の上にびっしりと敷き詰められた鶏肉の姿とともに、甘さと醤油が入り混じった芳醇な香りがふわっと漂ってきます。

 それでは食べ方その1「そのままいただく」を兼ねながら、主役の鶏肉をチェックしていきます。“鶏まぶし”ということで、鶏肉は2~3cmほどに細かくカットされています。1粒を箸で取り一口。甘味と醤油がちょうどよい塩梅のタレ味が来て、その後に鶏肉の旨みが噛むごとに染み出してきます。弾力がありながら硬さや繊維感、パサついたところが全然なく、またジューシーではないのに肉自体の強い旨みが感じられるのは、間違いなくブランド鶏「阿波尾鶏」だからこそ為せる業でしょう。

食べ方その1は「そのままいただく」。鶏肉の味がダイレクトに伝わります
食べ方その1は「そのままいただく」。鶏肉の味がダイレクトに伝わります

 2粒目の肉には鶏皮が付いていましたが、これがまたウマい。プルンとした食感と肉以上に強い旨み、タレの味ともマッチしていて脂の嫌なしつこさも皆無と、パーフェクトに近い味わいです。そんな鶏肉と刻み海苔がかかった白飯が合わない道理などあるはずもなく、お重の6分の1まで食べてしまいました。1通り目からこんなにウマくて大丈夫なのかこれ…。

食べ方その2「追いだれをかけて」。濃密なのに後味すっきりの味わいです
食べ方その2「追いだれをかけて」。濃密なのに後味すっきりの味わいです

 気を取り直して、食べ方その2「追いだれ」。鶏肉とお重のご飯を茶碗に移し、その上から小鉢に入ったタレをかけていただきます。鶏肉の煮タレの味よりも濃い目で、甘味と風味が強め。砂糖とお酒…いや、上質な味醂の味わいなのかな? ご飯で薄まった鶏肉とタレの味を、どんとバックアップする感じ。もちろん美味でございます。

食べ方その3「柚子胡椒と一緒に」。鮮烈で爽やかな辛味が絶妙にマッチ!
食べ方その3「柚子胡椒と一緒に」。鮮烈で爽やかな辛味が絶妙にマッチ!

 食べ方その3は「柚子胡椒と一緒に」。小皿に盛られた柚子胡椒を箸で取り、ちょこんと乗せた鶏肉とご飯をレンゲでパクっ。柚子胡椒の鮮烈で爽やかな辛さが、鶏肉とタレの甘味をきりっと際立たせます。公式によるとこちらの柚子胡椒、原材料の青柚子果皮、青唐辛子、食塩がいずれも国産・無着色無香料とこだわりの仕様とのこと。なるほど、この説明で美味さがさらにアップした気がします(笑)。

食べ方その4は「卵黄に絡めて」。濃厚な黄身の味わいが衝撃的!
食べ方その4は「卵黄に絡めて」。濃厚な黄身の味わいが衝撃的!

 次は、食べ方その4「卵黄を絡めて」。改めて茶碗にご飯と鶏肉を盛り、窪ませた中央部に卵黄を落として準備は完了。これこそ食べる前から味の想像が付く組み合わせですが、鶏肉だけでなく黄身も良質さを感じさせる味わいで、美味しさに関しては想像よりもワンランク上。ご飯と鶏肉をまったりと包み込んで、あっという間に食べ切ってしまいました。取り分けて残すことができないため、卵黄1個で実質お茶碗半分の量を食べることになるのが実に惜しいです。

食べ方その5「だしをかけて」。シメに最適のはずが美味くてシメられません
食べ方その5「だしをかけて」。シメに最適のはずが美味くてシメられません

 そしてラストの食べ方5通り目は「だしをかけて」。こちらはご飯おかわりコーナーにある保温ポットから、セルフでご飯にだしを注ぐシステムです。新しい茶碗にご飯をおかわりし、だしを注いで鶏肉をトッピング。では改めていただきます。だしは熱すぎず温すぎない温度で、味わいはほんのり“だしの旨み”を感じる程度。そこに鶏肉に染みていたタレの味が溶け出し、全体にじんわりと味が行き渡ります。滋味が深い~。シメに最適な「出汁茶漬け」のはずなのに、あまりにウマすぎてシメる気が全然起きない…。よーし、本気のラストは残しておいた柚子胡椒と追いだれ、お重内のご飯&鶏肉にだしをかけていただくとしますか!

卵黄以外の3種をレンゲに乗せて贅沢に。控え目に言って最高です
卵黄以外の3種をレンゲに乗せて贅沢に。控え目に言って最高です

 お茶碗に残りを全部移し、だしを注いでパクッ。うんめえ! 柚子胡椒の辛味、追いたれの甘味が溶け込んだだし、鶏肉自体の旨みとご飯の美味しさが、すくったレンゲに全て集約しました。これだ、これこそが「鶏まぶし定食」のシメに相応しい味。追いたれは使い切ることができませんでしたが、とりあえず器の中の形あるものは全て食らい尽くして無事完食。こんな食後の多幸感、いつ以来だろう…。ごちそうさまでした!!

まとめ

添えられた薬味は「追いタレ」「柚子胡椒」「卵黄」の3種
添えられた薬味は「追いタレ」「柚子胡椒」「卵黄」の3種

 美味しい鶏肉を美味しい味付けで、さらに一食で5通り(残ったもの全部乗っけを含めると都合6通り)の味わい方ができる。しかもそれぞれの食べ方が全て美味しくて、ご飯のおかわりが自由と、文句のつけようのない仕上がりでした。こうなると逆に、食べ方に甲乙つけるというのがかなり野暮な気もしてくるわけですが、個人的には何だかんだで「そのまま食べる」が一番でした。鶏肉自体の味と煮込んだタレ、ご飯と一体になったときの美味しさが、6通りの食べ方の中で最もダイレクトに伝わってきたように感じました。ぜひ皆さんも実際に食べてみて、その味わいを感じてみてください。

 なお、オーダーは「お肉2倍」が断然オススメ。通常盛りでは恐らく、美味しさを実感する前に鶏肉がなくなって物足りなさだけが印象に残ってしまうのではないかとお思います。ちょっと高くはなりますが、美味しさでお腹をいっぱいにすることを秤にかければ、むしろリーズナブルになる…かも!? 食べてみる価値は大いにアリの「鶏まぶし定食」。ぜひお近くの『やよい軒』で、充実の一食を存分に楽しんでみてください!

(撮影・文◎河西まさあき)

●DATA

鶏まぶし定食

期間:2023年10月3日(火)~ ※期間限定(終売日未定)
販売:全国の『やよい軒』
https://www.yayoiken.com/