私とクラフトビールの付き合い方【漫画家・敦森 蘭さん】

【漫画家・敦森 蘭さん】私とクラフトビールの付き合い方
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●クラフトビールは自由だ。酸っぱい味、甘い味、苦い味。嬉しい日でも悲しい日でも、その日の気分に合ったビールがきっとある。漫画家、モデル、銭湯当主といった、異なる生き方をする三人にそれぞれのクラフトビールとの付き合い方を聞いてみた。

ビール好きじゃない人にこそ、クラフトビールの魅力を伝えたいです。

「ビールは、ずっと好きでした。ただ、初めてのお店に入るのに尻込みしてしまうタイプで。『よりみちエール』では、お店や店員さんの雰囲気が漫画から伝わって、飲みに行くハードルを下げられたらと思って描いていました」

 漫画家の敦森 蘭さんは、そう話すと、はにかみながら手元のグラスに口をつけた。「いろいろ飲みますが、結局はペールエールなんです」と、実にうまそうにビールを飲む。

ビア活で見えてきたクラフトビールの本当の魅力

Ⓒ敦森 蘭/講談社
Ⓒ敦森 蘭/講談社

 敦森さんが描く『よりみちエール』は、アラフィフの映画監督・高田頼道(よりみち)と、若手イケメン俳優・藤田アランがクラフトビールを求めて街を行く“ビア活”漫画だ。親子ほど歳の離れた男2人が、ビールという共通の悦びで繋がり、行く先々で個性豊かなビールに出会う。

 頼道とアランの何気ない会話や感情表現から、ビールの味わいや多様性、ビアスタイルやペアリングなどの奥深い世界を覗くことができるので、ビール初心者でもわかりやすく、興味を惹かれる内容となっている。

 作中では、各回ごとに実在の店が登場し、ビールを愉しむ食事シーンが醍醐味の一つとなっている。頼道とアランが訪れる店では、スタッフや内装、料理が忠実に書き込まれていて、店内の雰囲気、空気感を擬似体験できる。