マックで「揚げたてポテト」をオーダーしてわかった「しなしなポテト」が生まれる理由とは?

揚げたてを注文。15分経ったら…?

マックフライポテトLを2つ、“揚げたて”でオーダー。袋から熱さが伝わってきます
マックフライポテトLを2つ、“揚げたて”でオーダー。袋から熱さが伝わってきます

 さっそく近所のマクドナルドに行き、「ポテトのLを2つ、“揚げたて”でお願いします」と注文しました。

 店内は平日昼の遅い時間で空いており、なおかつ、ポテトのコーナーを見ると、“待機ポテト”は1箱だけ。ラッキーなことに、ちょうど揚げているタイミングだったよう。2分もかからず番号が呼ばれ、「揚げたてポテトです」と手渡されました。

揚げたてなので当然カリカリで、長いタイプはジャガイモのホクホク感も感じられて非常に美味
揚げたてなので当然カリカリで、長いタイプはジャガイモのホクホク感も感じられて非常に美味

 すぐにそのアッツアツの揚げたてポテトをトレイに広げてチェックしていきます。まるで工場の仕事で異物混入をチェックするような感じで、長いポテト、短いポテト、破片のようなポテトを1つ1つ確認していきます。

長いポテト、短いポテトをくまなくチェックして、すべてがカリカリだと判明
長いポテト、短いポテトをくまなくチェックして、すべてがカリカリだと判明

 そしてわかったことは、長短はあれど、「しなしなポテト」は皆無だということ。揚げたてをオーダーしているわけなので、当然といえば当然なのですが、本当にすべてカリッカリです。

 試しに、このカリカリのポテトをトレイ上に放置しておけば「しなしなポテト」ができるのかな? と思ってやってみましたが、待てど暮らせど、一向にふにゃっとならず硬いまま。

 想像するに、熱いポテトが赤い箱内でお互いくっつき合い、蒸気で蒸されることで「しなしなポテト」ができるんじゃないか――というわけで、箱に入れたままにしていたもう一箱のほうを、そのままさらに15分放置してみることに。

15分放置したら“しなしな”になるかテスト
15分放置したら“しなしな”になるかテスト

 15分後、箱のまま放置していたポテトをトレイに広げてみたところ、驚くべきことに「揚げたてポテト」の硬度はカリカリのまま。そう、粗熱は取れてはいたものの、箱に入れたまま時間が経っても「しなしなポテト」は1本もできなかったのです。

15分経過して、ポテトをトレイに出してみたところ
15分経過して、ポテトをトレイに出してみたところ

 一体どういうことなのか。まだまだ時間が足りないのか? と考えてポテトをまた箱に戻し、袋に入れて家まで持ち帰ってみることに。そして1時間半後、自宅に帰ってポテトをキッチンペーパーの上に広げてみると……

1時間半後のポテト
1時間半後のポテト

 さすがに1時間半経ったポテトは、揚げたてのときのようなカリカリ感はありません。とはいえ、ふにゃっともしていません。そう、あの「しなしなポテト」ではないんです。一見、形状は揚げたてのままでピンとしていますが、食べてみると、水分も油分も失っており、どちらかというとパサパサしています。 例えるなら“干からび老化ポテト”という感じ。

まとめ

揚げたてでオーダーすると、カリッカリのポテトだけ(食楽web)
揚げたてでオーダーすると、カリッカリのポテトだけ(食楽web)

 ここでようやく、マックの「しなしなポテト」は、時間の経過で作れるものではないということに気づきました。おそらく、店内で店員さんが揚げたてのポテトを、すぐにライトの下に移してじんわり温めているからこそ、水分も油分も失わず、適度に蒸されて揚げたてポテトがナチュラルに「しなしなポテト」に変化しているのだと推測されます。

 つまり、実行する人がいるかどうかは別にして、あの「しなしなポテト」を狙って食べるためには、「揚げたてではなく、ライトの下にずっと置いてあったポテトをください」とオーダーする必要がありそうです。

(撮影・文◎土原亜子)