
ここは『小料理 ありま』。
とある街のどこかで、店主・有馬邦明さんが、“気が乗ったときだけ”暖簾を掲げるという、秘密の隠れ家です。今宵も有馬さんは厨房に立ち、なにやら熱心に仕込みの真っ最中。
それもそのはず。本日は、かねてより有馬さんが敬愛しているゲストをお招きしているのです。最高のおもてなしをしようと意気込む有馬さんは、そわそわと待ちきれない様子。せわしなく、でも楽しそうに厨房で仕込みに励んでいます。
『小料理 ありま』は、イタリアンの料理人として20年以上活躍してきた有馬さんが、全国から選りすぐった食材を使った料理と、こだわりの酒を揃える店。そして今夜のゲストは、イタリア全般に造詣の深い方だとか。そこで有馬さんは、いつにも増してイタリアらしいテイストを盛り込んだ料理を作ろうと思い立ったようです。

この店のために選んだ芋焼酎「薩州 赤兎馬(さっしゅう せきとば)」は、どんな料理も受け止めてくれる柔軟なおいしさが魅力。飲むほどに、合わせたい料理のアイデアがどんどん浮かんできて、ますますこのお酒に興味が湧いてきたといいます。
「果たしてこの風格ある『赤兎馬』という名前に込められた物語とは、どんなものなのだろう。確か『三国志』に登場する馬の名前だったはず……。誰かもう少し深く教えてくれないかなぁ」
そこでハタと思い至ったようです。
「そうだ、今夜のゲストは歴史や文学に詳しいあの方だから、ぜひそのお話を伺ってみよう! それがいい!」と、にっこりと笑顔を浮かべるのでした。
『赤兎馬』の来歴を紐解く最強のゲスト、作家・大岡 玲さん登場!
するとそこへ、ガラガラっと戸が開く音。
「いらっしゃいませ! お待ちしていました」と、満面の笑みの有馬さんがカウンターから飛び出し、お出迎えに走ります。
「こんばんは。今日はお招きありがとうございます」と入って来たのは、作家の大岡 玲(おおおか あきら)さん。「いやぁ、本当にお久しぶりですね。今日はお会いできるのをとても楽しみにしていましたよ」と大岡さんは快活に笑います。
大岡 玲さんは、芥川賞受賞作家。そして現在は、東京経済大学で日本文学などを教える大学教授でもあります。イタリア文学者であると共に幅広い文学に精通し、またNHK『日曜美術館』の司会を務めたこともあるほど、美術にも並々ならぬ知識を持っています。ことのほかイタリア好きで、趣味が釣りというのも有馬さんとの共通点で、ふたりの気が合う由縁とか。イタリア文化を深く知る大岡さんと語り合うことは、有馬さんにとって楽しいひとときなのです。

「それにしても有馬さん、こちらはどういうお店なんですか? これまでやっていらしたイタリアン・レストランとは、また随分雰囲気も違うような……」と大岡さんが尋ねます。
「驚かれましたか?(笑)。この『小料理 ありま』はイタリアンだけにとどまらず、旬の食材をそのときに一番おいしい調理法でお出しする店なんです。料理に合わせるお酒も自分が納得したものだけを揃えているのですが、今とても気に入っているのがこの芋焼酎、『薩州 赤兎馬』です。大岡さんにもぜひ飲んでいただきたいと思っていました」と有馬さんは「薩州 赤兎馬」を取り出します。
「おぉ、『薩州 赤兎馬』ですね! これはいいお酒ですよね。せっかくですから有馬さんも一緒に飲みましょう」と大岡さんもうれしそうです。
「僕もいただいていいですか? じゃあお言葉に甘えて」と、ロックの「薩州 赤兎馬」を手に、ふたりは乾杯します。

「ときに、有馬さんは『薩州 赤兎馬』のどんなところを気に入っているんですか?」とロックグラスを手に大岡さんが尋ねます。
「ほどよく芋の香りもあるのですが、シャープさのなかにフルーティな味わいもあって、それがイタリアの蒸留酒・グラッパにも似ているなと思うんです」と有馬さん。
「なるほど、確かにクラシックなグラッパのような趣がありますね。芋の香りは強すぎず、抑制が利いているのもいい」と大岡さんもその香りを確かめながら応えます。
「実は大岡さんにぜひ伺いたかったのですが、『赤兎馬』の名前の由来となっている物語を、もっと知りたいと思っているんです。僕は名前も有馬ですから、馬には興味がありまして(笑)」と有馬さん。
「おやおや、そうですか。そこは私の大好きな分野ですから、少し話が長くなりますよ(笑)」と大岡さんは前置きし、語り出しました。
「赤兎馬とは、中国の歴史書『三国志』に出てくる猛将で知られた武将・呂布(りょふ)が所有した馬の名前です。『三国志』を元に書かれたフィクション『三国志演義』にも登場しますが、一日に千里を走るといわれる名馬で、その上、馬の寿命としてはかなり長く、30年近くも活躍したと記されています。この天下の名馬・赤兎馬のひと駆けのように、しなやかで力強い味わい、そして長く活躍したことにも敬愛を込めて、この『薩州 赤兎馬』にも、長く愛される酒になって欲しいという願いがこもっているのではないでしょうか」


天下にとどろく名馬のごとき芋焼酎と、夏に食べたい逸品が出合う
さらに大岡さんは、赤兎馬が中国の歴史上に登場する、血のような汗を流して走る馬=「汗血馬(かんけつば)」であったのではないかという推理や、『三国志演義』をはじめ、中国文学の核心は男同士の「友情」であることなど、様々な話が飛び出し、楽しい会話は尽きません。
大岡さんの話にすっかり魅了され、聞き入っていた有馬さんですが、突然ハッと我に返ります。
「僕、うっかりして何もお出ししていないですね!」と大慌て。「大岡さんに召し上がっていただこうと思っていたお料理、すぐに作りますね」とあたふたと調理にとりかかります。

「大変お待たせしました! 今夜は『黒豚のカツレツ』をご用意しました。一緒に飲んでいただきたいのは、赤兎馬の夏期限定酒『青(ブルー)の赤兎馬』です。こちらをぜひ炭酸割りでいかがでしょうか?」と有馬さん。
「黒豚のカツレツ」は、鹿児島県産黒豚ヒレ肉に、「青の赤兎馬」少々で溶いたにんにく味噌を塗って、下味を付けています。衣には、パン粉と粉チーズ、おろしにんにくを加え、オリーブオイルでじっくり揚げ焼きに。さらに今回有馬さんは、普通の粉チーズよりいっそうリッチで味わい深い、パルミジャーノ レッジャーノのすりおろしを使いました。仕上げにデコポンの皮を削って散らせば、柑橘の香りが漂います。


「私もすっかり『赤兎馬』の話に夢中になってしまって」と笑う大岡さん。「おかげで喉も乾いたので、炭酸割りはいいですね」と「青の赤兎馬」の炭酸割りで喉を潤し、いざ料理へと箸を伸ばします。
「なんと、これは夏らしい。『青の赤兎馬』の炭酸割りは香りに華やかさがあって、見るからに涼し気。晴れ渡った空の下で飲みたくなるような清々しさもあります。『黒豚のカツレツ』には柑橘の香りがありますが、『青の赤兎馬』にもほんのり柑橘のニュアンスを感じるので、実に合いますね。カツレツを食べて炭酸割りを飲むと、豚の旨みをきれいに広げてからスッと流してくれるので、自然と箸が進んでしまうなぁ」
この感想にうれしくなった有馬さんが、いそいそと料理を説明します。「肉の下味に『青の赤兎馬』をしみ込ませているのがポイントなんです。飲んでいるお酒を料理に使うことで、よりいっそう互いの相性がよくなるんです」
ワイングラスで飲む焼酎の炭酸割りは、いつもとひと味違う華やかさがある
料理と酒の相性のよさに舌鼓を打つ大岡さん。「なるほど、納得です。そして焼酎の炭酸割りをワイングラスで出すというのもいいですね。やはりそこは、イタリアンの有馬さんだからなのかな(笑)」
「実は、日比谷『ミクソロジー ヘリテージ』のチーフバーテンダー・伊藤 学さんのアイデアなんです。先日、伊藤さんがここに遊びに来てくれまして、大岡さんに『青の赤兎馬』でおいしい炭酸割りをお出ししたいと相談したら、教えてくれたんです。ワイングラスを使うのは、その方が香りが引き立つことと、炭酸感も増すということで。喜んでいただけて何よりです」と有馬さん。

「おっしゃる通り、香りと味わい、そしてしっかりと炭酸感が伝わってきます。炭酸割りと『黒豚のカツレツ』は素敵な組み合わせですね。有馬さんのお料理も久しぶりにいただけて、元気をもらいましたよ」。そう語る大岡さんも「青の赤兎馬」の炭酸割りが止まらなくなったようで、スイスイ飲んでいます。
それを見ていた有馬さん。安心したようににっこりして「薩州 赤兎馬」のロックを手に持ちます。「料理もお出しできましたので、僕はこちらをロックでいただきます。すぐに追いつきますよ!」とやる気満々。お互いに何度も杯を交わしながら、会話が膨らんでいきます。
「今日は『薩州 赤兎馬』と『青の赤兎馬』を飲みながら、久しぶりにイタリア話にも花を咲かせましょう! さあ、夜はこれからですよ」と、ふたりは大盛り上がり。そうして今夜も「赤兎馬」を挟んで、楽しい時間が過ぎてゆくのでありました。

注釈)
※「小料理 ありま」は本企画内だけに存在する架空のお店です。
「薩州 赤兎馬」の動画も公開!
●DATA
濵田酒造 焼酎蔵 薩州濵田屋伝兵衛

「薩州 赤兎馬 20度」
アルコール分:20度
原材料名:さつまいも(鹿児島県産)、米麹(国産米)
内容量:720ml
価格:1525円(税込)

「薩州 赤兎馬」
アルコール分:25度
原材料名:さつまいも(鹿児島県産)、米麹(国産米)
内容量:720ml
価格:1827円(税込)
※お問い合わせ:お客様相談室0996-21-5260(平日 9:00~17:00 土・日・祝日を除く)
https://www.sekitoba.co.jp/
飲酒は20歳から。飲酒は適量を。飲酒運転は法律で禁じられています。妊娠中や授乳中の飲酒はお控えください。