意外や意外、舌だけでは不正解が続出!

さっそく、『浅草今半』のお弁当が売っている渋谷のデパートに行くと、何種類かありましたが、すき家の牛丼に一番近いと思われる「牛肉弁当」(1296円)を購入。続いて、近所の『すき家』に行き、「牛丼」の並(400円)もゲット。見てのとおり、価格の差は3倍以上もあります。

画像を見る限り、どっちがどっちか、すぐにわかりますよね。パッケージからして『浅草今半』の「牛肉弁当」はいかにも高級そうです。そして、フタをとってみても、一目瞭然です。

『浅草今半』は、牛肉の上にきれいに重ねられたタマネギ、そしてサイドには焼豆腐、こんにゃく、グリンピースや紅生姜も入って彩り華やか。一方、すき家の牛丼は、アタマ(肉とタマネギ)で覆い尽くされ真っ茶色。無骨です。しかし、両者のアタマだけ取り出してみると…アラ不思議。けっこう見分けがつかなくなってくるのです。

とはいえ、この状態でも、やっぱり『すき家』の“アタマ”はすぐわかる、という人も多いかもしれませんね。まぁ、実物を見ると、たいていの人はどっちが高級なのかすぐわかるのです。しかし、今回の企画のポイントは“目隠し”。ビジュアルは関係ないのです。
というわけで、30代、40代、50代の男女3人に目隠しをしてもらい、ひと口ずつ食べさせて、「どっちが高級な『浅草今半』の牛肉弁当だと思うか?」を答えてもらいました。ちなみにこの3人は、『すき家』の牛丼も『浅草今半』の牛丼も、ほとんど食べたことがない人たちです。

というわけで、ちょっとずつアタマとご飯をお椀に入れ、アイマスクで目隠しして食べてもらいました。最初に食べてもらったのが『すき家』(A)、次に食べてもらったのが『浅草今半』(B)の順。果たしてどっちが高級なのか…回答は以下のとおりでした。
●50代女性(主婦):回答A
理由:Aは肉がふんわりしていて、なおかつダシがしっかり染みていて、ご飯との相性もよい。すき焼きの残りのご飯にかけたかのような贅沢な味がした。Bは肉がちょっとボソッとしていた。
●40代男性(自営業):回答A
理由:Aは食べた瞬間、肉に生姜の風味が感じられ、肉も柔らかかった。脂にも旨味があって食べやすく、ご飯に合うと思った。Bも美味しいけど、口の中でご飯が先になくなり、肉だけがいつまでも口に残った。
●30代男性(IT関係):回答B
理由:AもBもどちらも美味しいけれど、Aはよく食べる『松屋』の牛丼の味に少し似ている気がしたので消去法で。ただ、風味としてはBが肉の食感や旨味がしっかりしていたのと、何よりご飯が美味しい。
検証結果

というわけで、なんと、3人中2人がA(すき家の牛丼)と答え、高級な『浅草今半』を見分けられないという結果に…。ちょっと驚きですが、意外とブラインド状態で舌の感覚だけで高級品を見破るのは至難の業だと判明。
もちろん、今回は一流芸能人ではなく、一般人3人の目隠し検証なので、一概に誰もが「高級な方を見分けられない」とは言えませんが、冒頭で書いた『すき家』で出会ったお父さんが言っていた「目隠しをして食べたらどっちがどっちか、わからないと思う」はあながち間違いではないのかもしれません。
ちなみに国産黒毛和牛のモモ肉を使用した『浅草今半』の牛肉弁当は間違いなく美味しいので、未食の方はぜひ一度ご賞味あれ。
(撮影・文◎土原亜子)