ご飯大盛り無料!『吉野家』の「ハムエッグ牛小鉢定食」
まずは『吉野家』の「ハムエッグ牛小鉢定食」(536円)からご紹介します。内容は以下の通りです。
●ハムエッグ・生野菜サラダ・牛小鉢・味噌汁・ご飯
まず驚いたのが、ハムエッグが小さなフライパンごとトレーに乗っていること。調理場からそのまま運べて手間が省けるという利点もあるんでしょうが、焼きたての味をそのままサーブしてもらえるというのは、ちょっと嬉しいですよね。
また、さらに「牛丼のアタマ」が小鉢に盛られ、ご飯のお供としてものすごくありがたい。キャベツとコーンのサラダも栄養バランス的にイイですね。しかも、けっこうボリューミーです。
まずはハムエッグ、牛小鉢と一つずついただきました。もちろん、それぞれ美味しいんですが、オススメはハムエッグの玉子をご飯の上にのせ、半熟の卵黄を潰しつつ牛小鉢と合わせていただく食べ方。これが最高でした。536円と、ワンコインとはいきませんが、ガッツリいただける『吉野家』ならではの優秀モーニングだと思いました。
「選べる小鉢」付きでコスパ・味わいともに最強!『松屋』の「ソーセージエッグ定食」
続いて、『松屋』の「ソーセージエッグ定食」(420円)。主役はソーセージと目玉焼きです。420円という低価格がまずスゴいですね。内容は以下の通り。
●ソーセージエッグ(サラダ付)・選べる小鉢・お新香・焼き海苔・味噌汁・ご飯
吉野家と同様、ご飯の増量を同じ値段で指定OK。さらに小鉢は「ミニ牛皿」「納豆(ネギ付)「国産とろろ」「冷奴」から、どれか一つセレクト可能です。今回、筆者は「ミニ牛皿」をチョイスしました。
さっそく、主役であるソーセージにかぶりついてみます。これ、焼き加減が絶妙。中からあふれ出る肉汁が美味しすぎて、ご飯と添え物のサラダがどんどん進みます。もちろん、牛丼でお馴染みの「ミニ牛皿」も松屋らしい甘さ強めの味わいで、これまたご飯との相性は抜群です。
また、脇を固める小皿にも抜かりなし。きゅうりや白菜のお新香で箸休めしつつ、焼き海苔に醤油を垂らしてご飯を巻いていただくのも楽しいです。わかめと油揚げたっぷりの味噌汁をすすれば「あぁ、日本人で良かった」と実感。これだけの充実ぶりで「420円」という低価格はまさに神! ボリューム的にも、モーニングとしては過不足のないちょうど良い量と味。これは超優秀な朝定食だと思いました。
和と洋を同時に味わえる『すき家』の「牛小鉢ベーコンエッグ朝食」
続いて、『すき家』の「牛小鉢ベーコンエッグ朝食」(450円)。内容は以下の通りです。
●目玉焼き・自社製ベーコン・レタス・牛小鉢・季節の煮ひじき・味噌汁・ご飯・焼き海苔
価格は吉野家と松屋の中間にあたる450円。商品名は「ベーコンエッグ」ですが、目玉焼きと自社製ベーコンが別になっていることに加え、野菜はキャベツではなくレタスだったりと、吉野家&松屋とあえて差別化している感じですね。パッと見は洋食っぽいですが、季節の煮ひじきや牛小鉢もあるため、実は和洋折衷の印象の贅沢なモーニング、という印象。
実際にいただいてみると、ベーコンの塩っけが新鮮なレタスと相性抜群。ダシが効いた煮ひじきはホッとする味で、実家で食べる朝ごはんを思い出しました。さらに、牛丼でお馴染みの牛小鉢と目玉焼きをご飯の上にのせれば、朝食ならではの「目玉焼き牛丼」が完成。味噌汁はあっさりめで、この点は好みが分かれそうです。
コスパはイマイチだが丼モノチェーン屈指の味わい!『なか卯』の「目玉焼きベーコン朝食」+「牛小鉢」
いよいよ最後のお店です。それはズバリ『なか卯』。こちらでは「目玉焼きベーコン朝食」(430円)+「牛小鉢」(150円)をいただきました。内容は下記の通りです。
●目玉焼き・ベーコン・味噌汁・ご飯・焼き海苔・牛小鉢
他の丼モノチェーンと親しい構成にするため、「目玉焼きベーコン朝食」に「牛小鉢」を追加。これにより合計は税込580円となりました。ベーコンが2切れで野菜がないことも考えれば、やや高めと言って良いでしょう。また、ほかの3店舗が11時まで朝食を出しているのに対し、なか卯は朝10時まで。この点も、利用する際のハードルの高さを感じてしまいました。
一方で、なか卯には他の丼モノチェーンを凌駕する点もあります。それは卵。濃厚な黄身が特徴の卵で作られた目玉焼きは絶品のひと言。また「牛小鉢」は、ダシを前面に押し出した上品な味で、これまた美味。味噌汁の滋味深い味わいも素晴らしく、味だけで考えれば、なか卯は頭一つ抜きん出ている印象でした。
一番のオススメは松屋。安定感はあるがやや高めな吉野家、コスパ・味ともに優秀なすき家、最高値だが味は最高のなか卯
そんなわけで、『吉野家』、『松屋』、『すき家』、『なか卯』の4店舗の朝食を食べ比べてのまとめです。
『吉野家』の朝食は、フライパンで出されるハムエッグのインパクトと、安定感のある味は高評価ですが、500円超えの価格が他店に比べて残念。『すき家』は、和と洋のバランスが良く、さらに450円という価格も絶妙な優良児。吉野家とすき家で迷ったら、筆者は朝食に限ってはすき家を選ぶと思います。
そして、コスパの良さとボリューム感を両立しているのが『松屋』。筆者個人的には『松屋』に最優秀賞を贈りたいと思います。正直、スゴかったです!
他方、580円という値付けにして、印象がやや薄めだったのが『なか卯』です。しかし無視できないのは各料理の味の素晴らしさ。この点だけで言うと、丼モノチェーンの中で最も優れており、コスパを問わないのであれば、『なか卯』の朝食もまた最高だと思いました。
(撮影・文◎中西ふみえ・松田義人)