想像を超える驚愕のジャンボサイズに思わず絶句

オーダーから待つこと6~7分で「ジャンボから揚げ定食」(1050円)が登場。いざ対面して震え上がりました。一瞬、トンカツと見まがうほどのデカさの鶏のからあげ。それが2枚も! 「1枚120~130gほどですね」と店主・草下さんは軽く言いますが、トータルで250g前後、これは見ただけで手強い相手だとわかります。ここまでデカいと、完食できるかがまず不安…。

一瞬、弱気になってしまいましたが、実際これまでジャンボからあげと言われる猛者と数多く対峙してきた筆者でも、ここまでのサイズはちょっと記憶にありません。これは相手にとって不足なし! カラアゲニストとしての腕が鳴る…いや、お腹が鳴る! というわけでまずは、最大幅が約14cmのモモ肉からあげを箸でつまみ上げてみます。その重量感がずっしり手に響きます。

ひるまずガブリとひと口。するとアラ不思議! 見た目の威圧感とは裏腹に、実にやさしい味わいの醤油からあげではありませんか…! オリジナルの粉で作ったという衣は、シャリッとした歯ざわり。圧をほとんどかけずともホロホロと砕けていきます。

噛むたびに肉の上品な旨みが肉汁とともにあふれ出てくるのがたまりません。けっこう肉厚で、上の歯と下の歯が出会うまでに、濃厚な旨みにじっくり包まれていくような感覚。丸1日以上漬けダレにしっかり漬け込んだという肉は、ふっくらした食感に仕上がっていて、これが歯を真綿でやさしくくるんでくれるよう。もう、うっとりするレベルの美味しさです。
調査結果

食べる前は”戦闘モード”だった筆者も、ふた口目くらいでこのジャンボからあげとはすっかり仲良しになれました。そうなると、あとはもう一気呵成。食欲のおもむくまま、箸の動くまま、ひたすらにかぶりつき続け、あっという間にフィニッシュ。なんなら「もうちょい食べられるかも…」と思ってしまったほど。この余韻が美味しさの何よりの証でしょう。
ちなみにこちらのからあげ、草下さんの研究に加え、お母様が作っていたからあげも味付けのベースになっているとのこと。ある著名なからあげ愛好家が「一番好きなからあげは何か?」と聞かれて「母が作るからあげだ」と答えていたことがあります。美味しさの原点は、やはり”おふくろの味”にあるのかもしれませんね。
●著者プロフィール
松本壮平
ライター・編集者。一般社団法人日本唐揚協会認定カラアゲニスト。生まれも育ちも「からあげの聖地」である大分県中津市。美味しいからあげを求めて東奔西走する「から活=からあげ探索活動」に明け暮れている。